現在開催中の男子テニスのエルステ・バンク・オープン(オーストリア/ウィーン、室内ハード、ATP500)で現役を引退する元世界ランク3位の
D・ティーム(オーストリア)に対しての特集記事が21日に男子プロテニス協会のATP公式サイトに掲載。世界ランク141位の
錦織圭や同1位の
J・シナー(イタリア)、同9位の
G・ディミトロフ(ブルガリア)らトップ選手からのメッセージがつづられている。
>>錦織 圭vsドレイパー 1ポイント速報<<>>錦織 圭、ティーム、ズベレフら エルステ・バンクOP組合せ<<31歳のティームはツアー17勝をあげており、2020年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)では
A・ズベレフ(ドイツ)を下し優勝を経験。世界ランクは最高3位を記録しトップ選手として君臨し続けていた。
しかし、2021年6月のマヨルカ・チャンピオンシップス(スペイン/マヨルカ、芝、ATP250)で右手首を負傷し途中棄権するとキャリアが暗転。リハビリを行いつつシーズンを終了させると、翌2022年に復帰を果たしたが、その後は勝ち星に恵まれず、今年、母国オーストリアのエルステ・バンク・オープンでの引退を表明した。
ATPは21日、トップ選手たちのティームに対する評価やメッセージを掲載した。
M・ベレッティーニ(イタリア):「彼は完璧だった。彼はすべてを持っていた。バックハンドも、フォアハンドも、サーブも、よく動き、必死に戦っていた。彼と初めて対戦したのは2018年のローラン・ギャロスだった。クレーコートでは、3セット目から強さを感じることができた。インテンシティは本当に高かったし、彼はいつまでもフレッシュだった。それが彼の強さだった...。コートに持ち込むエネルギーが特別だったから、彼は本当にいつも尊敬していた人なんだ」
A・デ ミノー(オーストラリア):「フィジカルが際立っていたね。通常、片手バックハンドの人は、あれほど重く、重量のあるボールを打つのに苦労するものだけど、彼にはそのような問題はなかった。彼はそのために懸命に努力していたんだ。その激しさはいつもそこにあったし、彼はいつも信じられないような人間でありアスリートだった。僕はいつまでも彼を尊敬するよ」
G・ディミトロフ:「僕にとってドミは特別な選手だった。彼の成績やプレーぶり、そして片手バックハンドという共通点もあって、自分のプレー面を向上させるための良い挑戦だった。特にクレーコートでは、いいプレーをするために自分を追い込むことができた。互いに何度も対戦したしね。彼の成功を祈っているよ。彼は素晴らしい人だ。とても謙虚で優しくて、いい思い出を一緒に作れたんだ」
T・フリッツ(アメリカ):「彼はビッグネームに挑戦し始めた最初の選手の1人だったように思う。ノヴァーク(ジョコビッチ)、ラファ(ナダル)、フェデラー、そしてアンディ(マレー)が無敵だった時代にプレーしていた。彼は信じられないほど素晴らしいボールを打つんだ。クレーコートではいつも信じられないようなボールを打っていたけれど、最後のほう(けがをする前)はどのサーフェスでも信じられないようなボールを打つようになった。彼がやっていることを若手選手として見るのは、とてもエキサイティングなことだったよ」
J・シナー:「ドミニクとは公式戦で対戦したことはないけれど、人間として、人として彼は素晴らしかった。僕が何位であろうと、どれだけ若かろうと、彼はいつも挨拶をしてくれたし、会話もした。彼はいつもロッカールームや食堂に超ポジティブなエネルギーをもたらしてくれた。選手たちはみんな彼を恋しく思うだろう」
C・アルカラス(スペイン):「彼のプレーをよく見る機会があった。彼とは何度かトーナメントを共にしたね。2020年にリオデジャネイロで初めてATPツアーに出場したとき、彼と練習する機会があったんだ。すごく興奮したよ。彼がビッグプレーヤーを倒し、ビッグトーナメントで優勝するのを見たんだ。彼は本当に素晴らしいキャリアを持っていた。僕の弟はテニスをしていて、ティームの大ファンだったんだ。僕のラケットではなく、ティームのラケットでプレーしていたくらいだからね(笑)。だからいつもドミニクの試合を見ていて、弟からよく『ドミニク・ティームみたいにプレーしたい。彼のように、同じラケットで、同じスタイルでプレーしたい』って言われた。僕の家族のなかでは、ドミニクは本当に高く評価されているんだ」
錦織圭:「彼のテニス、特にバックハンドと精神的なタフネスを見るのはいつも楽しかったです。彼はグラウンドストロークがとてもパワフルでした。今ではめったに見られないと思います。彼は美しいバックハンドを持っていて、それを持つ人はあまりいないから。彼を失うのは悲しいけど、ホームのウィーンで最後のプレーを楽しんでほしいです」
エルステ・バンク・オープン1回戦では世界ランク42位の
L・ダルデリ(イタリア)と対戦する。この試合の勝者は2回戦でワイルドカード(主催者推薦)で出場する同141位の錦織と第7シードで同18位の
J・ドレイパー(イギリス)のどちらかと顔を合わせる。
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