日本ジュニアの各年代の頂点が決する大会、ユニクロ 全日本ジュニアテニス選手権 2024(日本/東京、ハード、有明テニスの森公園 テニスコート)が26日に開幕する。開幕に先立ち、昨年の女子16歳以下で単複優勝を飾った野口紗枝がインタビューに応じた。
ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権は、18歳以下の選手が男女シングルス・ダブルスの各部門で競う国内最高峰のジュニアテニス大会。今年からは男女混合のシングルス形式の車いすテニスの部も加わる。
同大会のアンバサダーは、ユニクロのグローバルブランドアンバサダーである
錦織圭と元プロ車いすテニスプレーヤーの
国枝慎吾が務めている。
また、各カテゴリーのシングルス男女優勝者8名と、フェアかつベストプレーの姿勢で臨んだ選手を全カテゴリーの中から大会推薦として男女1名選出し海外合宿に招待する。
海外合宿では錦織とのヒッティングや、海外選手との練習の機会が提供される。
今回、昨年の同大会女子16歳以下で単複制覇を達成し、直近では今月行われたインターハイ/北部九州総体2024(大分/大分市、レゾナックテニスコート、豊後企画テニスコート、砂入り人工芝)で優勝を飾った野口が練習拠点であるテニスガーデンレニックスでインタビューに応じた。
Q. 出身とテニスを始めたきっかけを教えてください。
出身は神奈川県です。テニスは小学校3年生の頃に始めました。それまでは野球をやっていて、テニスはお母さんとお兄ちゃんがやっていて始めました。お母さんがテニスをやっているのを見に行って、やってみようかなみたいな感じで始めさせてもらいました。
Q. テニスを始めてすぐに大きな結果は残せましたか?
いえ、中学2年生くらいまでは全国レベルには行っていなくて、関東ジュニアもあまり結果は残せませんでした。全中(全国中学生テニス選手権大会)も中学3年生で初めて行きましたけど、全然1回戦負けでした。
Q. そこから飛躍するきっかけはあったのでしょうか。
コロナ禍は大きかったです。結構コロナの期間にたくさん練習して、少し安定して勝てるようになったかなと思います。中学1年生の終わりくらいだったと思うんですけど、だいぶ伸びたかなって思います。
昔は少し足が速くて走り回るプレーだったんですけど、だんだんやっぱりそういうテニスって限界というか、勝つのが大変になってきて勝てなくなってくるので、自分からポイントを取る練習をしなきゃという話になりました。そこから少しずつ攻撃し始めたのが、勝てる要因になったと思います。今は攻撃するテニスがすごく好きです。
Q. 好きな選手はいますか?
ずっと
N・ジョコビッチ(セルビア)選手って言ってたんですけど、最近勝っている
J・パオリーニ(イタリア)選手がすごい好きです。ストロークが凄くてみていて楽しいです。
野口紗枝 [画像提供:tennis365.net]
Q. 昨年ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権16歳以下の部で単複優勝を果たし海外合宿に参加されましたが、このプログラムの存在は知っていましたか?
去年行ってる人がいたなくらいで、実際に優勝して『いけるんだ』みたいな感じでした。それまでは海外に全く行ったことがなくてすごく楽しかったです。
Q. プログラム中に海外の選手とも練習したと思いますが印象を教えてください。
やっぱりサイズ感が違うのでパワーもだいぶ違うなと思いました。でも一緒に行ったメンバーと自分たちのテニスは丁寧だねとも話していました。海外の選手はすごくパワーで押し込んでくるので、自分たちの良さにも気づけました。
Q. プログラム内で錦織選手とヒッティングをしたと思いますが感想を教えてください。
ラリーをさせてもらいましたがすごかったです。何打っても押されるみたいな感じでした。私はその時期フォアハンドが荒れていて課題だったんですけど、その部分のアドバイスをもらいました。帰ってきてからもそのアドバイスをもとに練習をしました。
海外合宿で錦織圭から指導を受ける野口紗枝 [画像提供:ユニクロ]
Q. 初めての海外ということでテニス以外の部分で感じたことはありますか?
食事面でやっぱり日本のご飯は美味しいです。私あまり好き嫌いもなくて、食べるのがすごい好きなんですけど、毎日パスタを食べていたのでご飯食べたいなって思いました(笑)
Q. このプログラムに参加して価値観や考え方に変化はありましたか?
奈良くるみさんとか錦織選手とかと一緒に話したりして、世界で通用する人ってこういう考えなんだなとか、こういう練習してたんだなとか、そういう学びがたくさんありました。多分ごく一部だと思うんですけど、それを知れてよかったなって思います。
あと、海外のコーチから『取り入れるかは自分次第だけど1つの参考として人の話はちゃんと聞こうね』とういう話をしていただいて、今までは自分がやりたいようにやればいいと思っていたんですけど、第三者からの意見も大切だなと思いました。
もちろんやるのは自分なので、それは自分が最後に決めればいいんですけど、やっぱり人からの意見って自分ではわからないことが多いので、そういうのはちゃんと聞こうという意識になりました。
Q. 昨年の全日本ジュニア優勝から海外合宿を経て、直近では圧倒的な強さでインターハイを制覇しました。テニス面では何が成長しましたか?
本当に去年と比べるとテニスはだいぶ強くなったなっていう実感があります。去年はすごく緊張しちゃって、自分のテニスというよりは今自分ができることをやろうみたいな感じでした。
でもこれから先のことを考えて、自分から仕掛けて攻撃していくテニスっていうのを自分の中で意識し始めたので、勝ちビビりというか、勝たなきゃいけないみたいな気持ちになって守りに入ることが少なくなりました。
もちろんテニスの部分も強くはなったと思うんですけど、メンタルがテニスを強くしていると感じています。
Q. 直近の目標を教えてください。
まずは全日本ジュニア(18歳以下)で、もちろんジュニアが最後なので優勝を目指してはいるんですけど、優勝というよりこれから先につながればいいなと思っています。楽しんでテニスをやって、それで最後に結果がついてきたら、それでまたフロリダ(海外合宿)に行きたいなって思います。
Q. 今後の進路と目標を教えてください。
プロ選手として活動して行く予定です。高校に行っている間は出れる範囲でITFの大会などに挑戦していきたいと思っています。
Q. プロになると決めたきっかけを教えてください。
プロは選択肢にあったくらいで、ほぼ大学に行くつもりでした。でも去年、全日本ジュニアで優勝してプロになろうという気持ちになりました。
やるとは決めたんですけど、まだどんな世界かはわからないです。でもやっぱりこれだけ日本人のプロがいて四大大会の本戦に出場している選手が少ないって考えると、まずはそこを目標にしてやっていかなきゃいけないと思います。
野口紗枝 [画像提供:tennis365.net]
全日本ジュニアからプロへ。野口の挑戦が始まる。
【ユニクロ 全日本ジュニアテニス選手権 2024】
●日程
・男女12歳以下、14歳以下
8月26日~8月31日
・男女16歳以下・18歳以下
9月1日~9月6日
・車いすテニス
9月4日~9月6日
●会場
有明テニスの森公園 テニスコート(使用コート:屋外コートNo.1-22 / 屋内コート 有明コロシアムおよびインドアNo.1-8)
昨年の海外合宿 [画像提供:ユニクロ]
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