パリオリンピック(フランス/パリ、レッドクレー)は日本時間5日(現地4日)、テニス競技の男子シングルス決勝が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が第2シードの
C・アルカラス(スペイン)を7-6 (7-3), 7-6 (7-2)のストレートで破り、悲願の金メダルを獲得。これにより史上5人目となる生涯ゴールデンスラムの偉業を達成した。試合後ジョコビッチは「パズルが完成した」と満足感を語った。
>>【画像】ジョコビッチ 金メダル獲得を決めた瞬間、涙浮かべコートに倒れこむ<<>>【一覧】パリオリンピック テニス 全種目ドロー<<37歳で世界ランク2位のジョコビッチはこれまでのキャリアで、四大大会やATPマスターズ1000といったビッグタイトルを総なめにしてきたが、オリンピックでの金メダルのみ唯一手にできていない。
今大会では1回戦で
M・エブデン(オーストラリア)、2回戦で元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)、3回戦で世界ランク70位の
D・ケプファー(ドイツ)、準々決勝で第8シードの
S・チチパス(ギリシャ)、準決勝で第11シードの
L・ムセッティ(イタリア)を下し、オリンピック5大会目の出場にして初の決勝進出を決めた。
そして決勝戦の第1セット、互いにブレークチャンスを握るも活かせずタイブレークに突入。ジョコビッチは鋭いリターンエースを決め先にミニブレークに成功し4-3とリードすると、その後は反撃を許さず。2度目のミニブレークを奪い先行する。続く第2セット、互いにサービスキープを続け再びタイブレークにもつれ込む。それでも集中力を上げたジョコビッチが2-2の場面から5ポイントを連取し、2時間50分の激闘の末に金メダル獲得を決めた。
男子プロテニス協会のATP公式サイトにはジョコビッチの試合後のコメントが掲載されている。
「今感じているすべてのことに圧倒されている。もちろん、何百万というさまざまな感情がある。ポジティブで、誇らしく、うれしすぎる。金メダルのために戦えたこと、そして母国のためにキャリア初の金メダルを獲得できたことは、間違いなく僕にとって最大の成功だ。デビスカップでの優勝や37歳でのオリンピックセルビア代表としての金メダルは前代未聞だ。今はまだ祝杯を挙げたばかり、これからの48時間が待ちきれないよ(笑)」
なお、ジョコビッチは同種目で史上最年長の金メダリストに。さらに全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)、ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)の四大大会とオリンピックを選手キャリアで制す生涯ゴールデンスラムを達成した。
この記録を達成したのは女子では
S・グラフ(ドイツ)と
S・ウィリアムズ(アメリカ)、男子では
A・アガシ(アメリカ)とナダルのみであったがジョコビッチが史上5人目となった。
「僕のパズルが完成したよ。自己批判的なところがあるけど、それはおそらく自分自身と戦い続けている最大の内なる戦いのひとつだと思う。コート上でも、コート外でも、自分の人生において十分ではなかった。母国のために歴史的な金メダルを獲得し、ゴールデンスラムを達成し、すべての記録を塗り替えることができた」
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