テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は27日、男子シングルス1回戦が行われ、元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)は第4シードの
A・ズベレフ(ドイツ)に3-6, 6-7 (5-7), 3-6のストレートで敗れ、2年ぶり19度目の初戦突破とはならず、初の初戦敗退となった。試合後の会見でナダルは今後に向けた思いなどを語っている。
>>錦織 圭vsシェルトン 1ポイント速報<<>>錦織、ジョコビッチら全仏OP組合せ<<>>大坂 なおみら全仏OP組合せ<<今月行われたBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)では2回戦で
H・フルカチュ(ポーランド)に屈したナダル。今季限りでの引退を示唆しており最後の全仏オープンになる可能性がある。
全仏オープンでは史上最多となる14勝をあげ、マッチでは112勝3敗を記録。過去の敗戦は2009年の4回戦での
R・ソダーリン(スウェーデン)戦と、2015年と2021年の
N・ジョコビッチ(セルビア)戦のみという圧倒的な成績を残している。
この日、ナダルは2度のブレークを許し第1セットを先取される。続く第2セットでは絶妙なドロップショットを披露し第5ゲームで先にブレークに成功するもサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームでブレークバックを許しタイブレークに突入。一進一退の展開となるもズベレフに3度のミニブレークを許しセットカウント0-2と後がなくなる。
そして第3セット、1度ずつブレークを奪い合うとその後は互いにブレークポイントを握って凌ぐ展開に。しかし、第7ゲーム、ズベレフに強烈なリターンエースを決められ2度目のブレークを許すとそのまま4ゲームを連取され、3時間5分の熱戦の末に力尽きた。
試合後の会見でナダルは「悪い気持ちにはなっていないよ。まず、1回戦で負けたこと以上の準備ができていることを示すことができた。でも、そういうものだよね?シード選手でなければ、素晴らしいコンディションで世界最高の選手の1人である選手と対戦することになる」とコメント。
「あらゆる面で僕にとって前向きな練習期間だった。身体的なパフォーマンスの面でもね。間違いなく、以前よりもずっと良い感じだった。限界を感じなかったんだ。今日の試合でも同じだった。以前のトーナメントよりもずっとうまく動けたと感じた」
「でも、目の前には非常に手強い相手がいた。そして、彼(ズベレフ)は良いプレーをしたと思う。僕はこんな状況でも、第2セットでサービング・フォー・ザ・セットがあった。そして、第3セットでもリードした場面があった。つまり、そこまで遠くはなかったんだ。それが僕の感覚だ。それがおそらく本当のこと。最後には、自分のゲームと自信を積み上げていく準備ができていた。しかし、目の前に非常にタフな相手がいたから、競争の時間はなかった。おそらく今日は、相手が素晴らしい試合をしていないことが僕には必要だったんだ」
「数週間前の自分のプレーと比べて、あらゆる面で良いレベルでプレーできたと思う。だから、その点はうれしい。もちろん負けたことは残念だが、体の感覚という点では、健康で終えることができてうれしいし、厳しい戦いだった。そしてもう少し頑張る準備ができていた。それだけだ。その瞬間を受け入れよう。もしこれがここでプレーする最後の時だとしても、僕は自分自身に平穏を感じている(笑)。僕はこの大会に出場するために、ほぼ20年間あらゆる努力をしてきた。そして今日とこの2年間、ここに戻ってくるという夢を抱きながら、おそらくテニス人生で最も厳しい過程を歩んできた。そして少なくとも僕はここに戻ってきた。負けたけど、それも仕事の一部なんだ」
「今後数か月で何が起こるかはわからない。このプロセスをすべて終わらせる必要がある。オリンピックまでは心構えができていたけど、その後はさまざまな方法で自分の気持ちを確認する必要がある。つまり、個人的なモチベーション、体の感覚、そしてテニスのレベルという点で、プレーを続ける意味があるかどうかだ」
また、ナダルは会見の終盤でウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)とパリオリンピック(フランス/パリ、レッドクレー)への出場に言及した。全仏オープン終了後、テニスツアーは芝サーフェスへと移行し7月中旬までウィンブルドンが開催。その後オリンピックのために再び全仏オープンと同会場のローランギャロスへと戻ってくる。
「1ヵ月半後はどうかはわからない。なぜなら、僕の体は2年間ジャングルだったから。ある日目覚めると蛇に噛まれていた。別の日にはトラに噛まれていたんだ(笑)。でも、明日は、もし必要であればまたプレーできると思う。でも、そうする必要はないよね(笑)。そして次は、準備が必要だ。自分の考えを整理して、オリンピックに向けて新しいカレンダーがどうなるか見極める必要がある。今日は何も言えないけど、今の主な目標はオリンピックに出場すること。それがここで行われる。だから、健康で万全の状態でここに到着できるよう、適切な方法で準備する必要がある」
「正直、ウィンブルドンは難しそうだ。オリンピックが再びクレーコートで行われる中、芝コートへの移行は難しいように思う。だから、何も断言できない。チームと話し合う必要がある。多くの事実を分析する必要があるんだ。今、僕の体に起こったすべてのことを考えると、まったく異なるサーフェスに大きく移行してから、すぐにクレーコートに戻るのは賢明ではないはずだ」
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