男子プロテニス協会のATP公式サイトは17日、元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)のコーチを務める
C・モヤ(スペイン)のインタビューを掲載。手術からリハビリの過程や復帰への道、将来について語った。
2017年からナダルの陣営に付いたモヤは、当時世界ランク9位だったナダルの復活を支え世界ランク1位返り咲きも果たした。約5年にわたりナダルとともにしたモヤだが、今年のツアー離脱はこれまでで最も厳しいものだったと明かした。
37歳のナダルは今年1月の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)2回戦で左股関節付近を痛めながら
M・マクドナルド(アメリカ)と対戦し、ストレート負け。その後ツアー復帰が叶わず、5月にラファ・ナダル・アカデミーで開かれた会見で全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)の欠場と長期の休養に入ること、そして2024年シーズンでの現役引退の可能性を示唆した。
その後ナダルは6月に左大腰筋の関節鏡手術を受けリハビリに励み、10月に入ってからはコートで練習する様子を定期的に自身のSNSで公開していた。復帰は今月31日に開幕するブリスベン国際(オーストラリア/ブリスベン、ハード、ATP250)を予定している。
モヤのインタビューは以下の通り。
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Q.ナダルが手術を受ける決断をしてから、最新のトレーニングまで、この数ヵ月の間に起こったことを説明していただけますか?A.完全な休養を必要とする手術にはつきものだ。彼(ナダル)は当初予想されていたよりも複雑な手術を受けた。開腹して中身を見たら、最初に考えていたよりもデリケートだったんだ。検査やスキャンをしなかったわけではないが......問題点をよく把握していなかったようで、回復期間は予想以上に長かった。
もし手術を受けていなかったら、回復がもっと難しかっただろうことも事実だ。復帰したい、コートで別れを告げたいという気持ちはずっと持っていた。
手術の後、彼は休暇に入ったから、1ヵ月半ほど会えなかった。できる限りのリハビリをしていたね。そして8月の終わりからトレーニングを始めた。週に2日、20分ほど。とてもゆっくりとした歩みだった。時には1歩下がって、またやる。常に細心の注意を払っていた。
もちろん、スタートはとても厳しかった。調子が上がらず、難しそうに見えたこともあった。しかし、常に医師と連絡を取り合い、検査を行い、経過が全く正常であることを確認していたので、僕らは常に安心していた。
常に慎重に計画を立て、それに従って徐々に負荷と強度を上げていった。時には1歩引いて、少し休んで、ペースを落とさなければならないこともあった。しかしそれはこの程度のけがに伴う過程であり、もはや20歳とは言えないキャリアの時点にいるから当然だ。
少しずつ前進し、問題は徐々に解決され、今ではオーストラリアに行って挑戦する準備は整っている。
Q.その過程で、彼が戻ってこないと思ったことはありましたか?A.そうだね。この手術のようなプロセスを経ると....結局のところ、メスを使うのは本当に最後の手段なんだ。そういうリスクを承知で、彼は手術に踏み切った。
プレーを始めて1ヵ月半か2ヵ月経ったとき、進歩がとても遅いことに気づいたんだ......そんな状況になったのは初めてだったから、予想より遅いのかどうかはわからない。でも、疑問はあるし、選手の頭の中にも疑問はある。彼の体は反応するのだろうか?この負荷に耐えられるのか?多くの疑問が湧いてくる。バラ色のベッドとはほど遠い。曲折の多い、曲がりくねった道だった。
Q.テニスの仕事以外に、あなたの心理的な役割は何でしたか?A.話したり、励ましたり、そばにいて話を聞いたりする日が多かったね。僕自身も、チームの他のメンバーも。僕はチーム全体について話すとき、彼は37歳の人間であり、彼の人生、彼の家族、彼の興味、彼の感情があることを意識している。僕らは彼をサポートし、その時々に正しいと思うことをし、彼の健康と自信に気を配ってきた。
時には彼に少しプレッシャーをかけ、時には1歩引くことも必要だった。その日その日の状況や、何より彼の精神状態やモチベーションによって、必要なこともあれば、そうでないこともあった。
その点、とても理解あるチームだと思う。僕らは彼のことを長年知っているし、そういう面では非常によく配慮されていたと思う。
押し出すことと手放すことのバランスをコントロールすることが問題だった。気をつけなければならないことは認識していた。彼が僕ら全員を尊敬してくれているからこそ、彼と仕事をするのはいつも楽なんだ。それはとても重要なことだと思うが、もちろんとてもタフで困難な日々もあったね。
Q.彼と過ごした最も困難な時期で間違いないですか?A.間違いなく。他にも難しい状況はあったが、今はバッテリーが残り少なくなっているのがわかる。スポーツマンには賞味期限があり、日々それに近づいている。その時期がいつなのかを意識することはほとんどない。ただ挑戦し続けるだけだ。その点では、誰よりも彼がそうだった。
僕はそのプロセスのある部分、ある段階において、疑念を抱いていた。このまま終わってしまうのではないか、もうプレーするチャンスはないのではないかという思いがあった。彼との付き合いの中で最も困難な時期だったのは間違いない。
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