tennis365.netは来シーズン開始まで、今季引退を表明した選手を特集。6人目となる今回は今年3月に突如現役を退いた女子元世界ランク1位の
A・バーティ(オーストラリア)をピックアップ。
>>【2022引退選手①】元世界5位ツォンガ<<>>【2022引退選手②】元世界5位アンダーソン<<現在26歳のバーティは今年3月にSNSを更新し、突然引退を表明。2カ月前の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)で念願となる母国での四大大会制覇を成し遂げたばかりで、当時世界ランクは1位でシングルスマッチ305勝を数えていたが、「もう限界」とコメントし引退。テニス界に衝撃が走った。
シングルスで15個、ダブルスで12個のタイトルを獲得したバーティ。ダブルスでは2018年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)を
C・バンデウェイ(アメリカ)とのペアで、シングルスでは2019年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)と2021年のウインブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)、2022年の全豪オープンで優勝するなど、単複合わせてではあるが、四大大会すべてを制してきた。
2014年の全米オープンを最後に一時ツアーを離脱しクリケットに神経を注いだバーティだったが、2年後にテニスへ復帰。その後もテニスツアーを回りながらもゴルフのチャリティーマッチなどにも積極的に参加し、その腕前を披露してきた。2021年にはプロゴルファー、ギャリー・キシックと婚約を発表。今年の引退後もゴルフのエキシビションマッチなどに出場している。
バーティは引退に際し「とても幸せだし、準備はできている。肉体的にも感情的にも、トップレベルで挑戦するために必要なものはもう持っていないの」とコメント。
「自分の力を最大限に発揮するためには、どれだけの努力が必要なのか私は知っている。チームにも何度も言った。『私にはもう、そんな力はないんだ』とね。私はこの美しいテニスというスポーツに、自分の持っているものをすべて捧げてきた。私にとってはそれが成功だと思う」
「昨年のウインブルドンは、私自身、そしてアスリートとしての私を大きく変えてくれた。1つの目標のために、人生をかけて懸命に働く。ウィンブルドンで優勝できたことは私の夢が叶った瞬間だった。テニスで望んでいた唯一の真の夢が叶い、視点が本当に変わった。ウィンブルドンの後、直感的にそう思ったの。チームともよく話していた。私の中にはまだ満足できていない、満たされていない部分が少しあった。自分の幸せは結果に左右されないという変化が、キャリアの2段階目に差し掛かった時に私の中にあった」
「全豪オープンへの挑戦。それは私にとって、自身のテニスキャリアがいかに素晴らしい旅であったかを祝うための最も完璧な方法であったと感じている。1人の人間として、これが私の望み。私は、いつもやりたいと思っていた他の夢を追いかけたいと思った」
世界ランク1位として引退した女子選手は2008年の
J・エナン(ベルギー)以来2人目のこと。バーティはテニスに対する愛も語っている。
「テニスが好きで好きでたまらない。でも、これからはアスリートとしてのアシュレイ・バーティではなく、1人の人間としてのアシュレイ・バーティとして人生の次の段階を楽しむことが大切だと思う」
バーティ不在となった2022年シーズンは、21歳の
I・シフィオンテク(ポーランド)がその座を引き継ぎ、世界ランク1位として君臨。全仏オープンや全米オープンを制し、圧倒的な存在として女子テニス界を牽引している。
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