独立裁判所は7日、元ルーマニア監督のイリ・ナスターゼ(ルーマニア)氏が国際テニス連盟であるITFの判決に対して申し立てていた上告に審判を下した。ナスターゼ氏は昨年4月に行われた女子テニスの国別対抗戦フェドカップ ワールドグループ2部プレーオフのルーマニア対イギリス戦で大会ポリシー違反をしたとして、ITFから有罪判決を下されていた。
独立裁判所の判決は以下の通り。
1.ナスターゼ氏が出した
S・ウィリアムズ(アメリカ)の子ども(当時は出産前)へのコメントが著しく不適切で、ウェルフェア・ポリシーの項目a5bに対して人種差別的に違反。
2.ナスターゼ氏が発したイギリスの
A・ケタボング(英国)監督に対しての発言が性差別的だとして項目a4cに違反。
3.ナスターゼ氏の公認のメディアに対して出した罵倒や脅迫めいたコメントが項目a3bに違反。
4.S・キルスチャと
J・コンタ(イギリス)の試合中にナスターゼ氏が発した審判団とイギリス・チームのメンバーに対してのコメントが罵倒的かつ脅迫めいたもので、項目a2a、a3a、a3b、そしてa5bに違反。
5.監督の権限を乱用し、コンタの状態を傷つけ、キルスチャに意図的に干渉する不当行為への関与。
6.ITF、フェドカップ、選手、審判団、テニス界へ不利になるような動きへの関与。
裁判所は、ナスターゼ氏に以下の制裁処置を科した。
ナスターゼ氏は、2017年4月23日から2020年4月23日までの3年間、ITFのチーム競技、個人競技、ITFテニス・サーキットの全てにおいて、公式な場での活動(監督としての活動を含むが、これに限定されるものではない)を禁止する。
また、上に記した競技とサーキットにおいて2017年4月23日から2018年4月23日までの1年間アクセスが拒否される。ATPツアー、WTAツアー、グランドスラムはITFの権限の管轄外であるため、この措置に含まれない。
さらに、ナスターゼ氏は総額2万ドル(約219万円)の罰金が科される。
独立裁判所は国際テニス連盟の内部裁定陪審員が下した元々の判決から罰金1万ドル(約109万円)の増加を下した一方、活動禁止とアクセス拒否の期間を8カ月短縮する判決を下した。
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