男子テニスの国別対抗戦デビスカップで前年度優勝のイギリスは、アルゼンチンとの準決勝でエースである
A・マレー(英国)をシングルスとダブルスで起用する可能性を示唆し、連覇へ向けて決勝進出を狙う。
スコットランドのグラスゴーで16日から18日にかけて行われる準決勝、マレーはシングルス2試合とダブルスに出場する可能性が出てきた。
「この週末、最大限の力を出して戦い、チームの勝利に出来る限り貢献したい。それから少しの間、休養をとりたいと思っている」とマレーは15日に行われた会見で語った。
マドリッドのマスターズで準優勝、ローマのマスターズで優勝、全仏オープンで準優勝、ロンドンのクィーンズ・クラブとウィンブルドンで優勝、リオデジャネイロ・オリンピックでは金メダル、シンシナティのマスターズ大会で準優勝、そして先週まで行われていた全米オープンではベスト8と、マレーは5月から快進撃を続けていた。
マレーにとってデビスカップはいつも重きを置いているが、ウィンブルドン直後に行われたセルビアとの準々決勝では疲労から欠場を強いられた。その準々決勝でイギリスは、ストレートでセルビアを下していた。
16日のオープニング・シングルスでマレーは、オリンピックの決勝戦で対戦した
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)と再戦する。オリンピックではマレーがセットカウント3-1で勝利。第2シングルスでは、
K・エドモンド(英国)が
G・ペラ(アルゼンチン)と対戦する。
2日目の17日にはダブルスが行われる。マレーは実の兄である
J・マレー(英国)と組んでの出場が濃厚で、
F・デルボニス(アルゼンチン)/
L・マイェール(アルゼンチン)組と戦う。
最終日の18日にはリバース・シングルスが予定されており、マレーはペラと、エドモンドはデル=ポトロと対戦する。
イギリス・チームのL・スミス監督は「彼(マレー)は、肉体的にも精神的にもたくましい人間。だから彼が3試合に出場しても驚かないでほしい」と話した。
マレーは16日に行われる祖父の葬儀は、デビスカップへ出場するために欠席すると見られている。
昨年、イギリスは1936年以来79年ぶりの優勝を飾っており、今年はその時以来となる連覇を目指している。1936年の時は4連覇を達成している。
マレーは「準決勝を勝つために、とてもタフな週末になるだろう。でも、誰もが勝ちたいと思っているし、勝利はチーム全員の目標でもある。昨年に続いて、またデビスカップの決勝戦へ進もうとしていることは、素晴らしい意気込みだと思う」とチームの気持ちを代表して述べていた。
そして「この数カ月では、あまりにも多くの大きな大会があった。どの大会を優先するかはとても難しかった。でも、その長かった夏の終わりに今回の準決勝があり、それに勝てるチャンスがこの週末にある。全員で全力を尽くす」と意気込みを加えていた。
通常、両エースは最終日のシングルスで対戦するため、マレーとデル=ポトロは最終日に対戦するはずだった。しかしデル=ポトロは、3度の手首の手術のために長らくツアーから離れており、現在はそこからの復帰途中にいるため、世界ランクを64位に落としていることからシングルス2番手として出場している。
アルゼンチンのD・オルサニック監督は「彼(デル=ポトロ)の復帰はテニス界にとっても良いこと。それは我々アルゼンチン・チームにとって、どれほどの意味があるか想像できるはず」とデル=ポトロの存在の大きさを話した。
決勝進出をかけて行われるもう1つの準決勝は、クロアチアとフランスが対戦する。
(STATS - AP)
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