男子テニスのマイアミ・オープン男子(アメリカ/マイアミ、ハード)は3日に行われたシングルス決勝戦で、第6シードの
錦織圭を6-3, 6-3のストレートで下して優勝を飾った第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は、この大会がこれまで通りマイアミで開催されることを願うと自身の見解を述べた。
大会会場の修復と拡張を求めた裁判で、大会の顧問弁護士は大会会場を移転することがほぼ確実となったと語っていた。
今大会最多優勝に並ぶ6度目の優勝を飾ったジョコビッチは、表彰式でで「どれくらいの人が大会の移転に関して知っているかは分からないけど、この大会はここマイアミでこれからもずっと開催されるべきだと確信している。だからまた来年、ここで会いましょう。」と気持ちを明かしていた。
そして、その後に開かれた記者会見の席でもジョコビッチはその強固な想いを伝えていた。
「信頼出来る情報筋から聞いた話では、この大会は今後何年もここで開催出来ることは知っている。他の場所への移転についての話し合いをする必要はないと感じている。」
大会主催者のA・バレットは、大会期間中に何度も移転について質問を受けてはいたが、そのことには何の返答もしていなかった。マイアミ・オープンのE・スティアーンズ顧問弁護士は電話でコメントを求められたが、同じく返答しなかった。
数カ月前に来年のマイアミ・オープンが3月20日から開催されるとの発表もあり、会場の移転への疑問がなかったかのようだった。しかし、移転に向けての憶測は消し去れず、移転先としての候補地が近場ではフロリダ州オーランドから、南アメリカ、そして中国に至るまであげられていた。オーランドのB・ダイヤー市長が先週大会会場へ訪れていた。
大会関係者は長年、この大会を一流の大会として存続させるには、会場の修復と拡張は必要不可欠だと主張し続けた。そして多くのトップ選手は、この会場は直前にインディアンウェルズで行われるBNPパリバ・オープンやその他の大会の会場より段々劣ってきているとの声もあがっていた。
男子世界ランク5位の
R・ナダル(スペイン)も「何かは行われるべきであるのは明らか。どんな大会も会場の施設の改修などは行っている。そして、この大会がそれをしばらくしていないのも確かなこと。」と意見を述べた。
改修費用は問題ではない。マイアミ・オープンは5,000万ドル(約55億8,000万円)を用意している。
このテニスのビッグ・イベントがなくなると、マイアミはダブルパンチを受ける可能性がある。プロゴルフのPGA大会も、メインスポンサーだったジェネラル・モーターズとの契約が先月で終了しているため、今後もマイアミで開催されるかは決まっていない。
インターナショナル・プレーヤーズ・チャンピオンシップ社が大会を所有しており、マイアミ=デード・カウンティと8年間の契約を結んでいる。しかしスティアーンズ顧問弁護士は、会場の修復と拡張に失敗したため、契約は不履行になると語った。
世界ランク3位で過去に2度優勝している
R・フェデラー(スイス)は「状況は全く違う。この大会は良い雰囲気を醸し出している。ここマイアミは、テニスをするには最高の街。14歳の頃からずっとここへ訪れている。」とマイアミの大会への想いを語っていた。
(STATS - AP)
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