テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)は31日、男子シングルス4回戦が行われ、四大大会初優勝を狙う第5シードの
錦織圭(日本)が快挙を達成した。全仏オープン初の準々決勝進出を果たすと同時に、日本男子で1933年の同大会でベスト8進出した
佐藤次郎(日本)以来となる82年ぶりベスト8入りを達成。この日は世界ランク74位
T・ガバシュビリ(ロシア)に6-3, 6-4, 6-2のストレート勝ち。
2013年の全仏オープン4回戦で
R・ナダル(スペイン)の誕生日に完敗した錦織。それから2年が経ち、快挙を達成するまでの選手に成長した。
「新しくどんどん歴史を作れることは自分のモチベーションにもなるので、まだまだこれからだと思います。」
31日のパリは雨のため、試合開始が遅れた今回の4回戦。試合中も小雨が降るなど「球もすごく重く、いつもとは少し違った環境でした。」と錦織が話すほど厳しい状況ではあったが、4回戦では世界ランク5位の力を見せつけた。
これまでキャップを被っていたが、この日はハチマキを頭に巻いて、第2のセンターコートであるスザンヌ・ランランに登場した錦織。
30歳のガバシュビリは、1回戦で第11シードの
F・ロペス(スペイン)を破って勢いに乗った。錦織との4回戦まで自身のサービスゲームではわずか1ブレークしかされていなく、全試合ストレート勝ちで16強入りを果たしていた。
今大会好調のガバシュビリに対して、この日の錦織は定評のあるバックハンドに加え、フォアハンドが火を吹き、ショートクロス、ストレート、全てが完璧に近かった。ウィナーの数は40本を記録。
さらにベースライン後方からのフォアハンドのパッシングショットを決めるなどで会場を盛り上げた。
またリターンも冴え渡り、ガバシュビリの強烈サービスを攻略した錦織は、16度握ったチャンスから5度のブレークに成功した。
メンタル面も安定しており、第1セット終了後は雨が降り出したため、数分間の中断。会場からブーイングが起きるも、錦織は集中力を切らすことなく戦い切った。
対照的にガバシュビリはミスを犯すとラケット投げるなど、自ら集中を欠いていた。
グランドスラム初のタイトル獲得を狙う錦織は、準々決勝で第14シードの
JW・ツォンガ(フランス)と激突する。ツォンガは地元フランスというアドバンテージがある。
「優勝の可能性はなくはないと思っています。」と、四大大会初優勝への手応えを感じている錦織。
錦織とツォンガの準々決勝は、大会10日目の6月2日を予定している。
(コメントはWOWOWから抜粋)>>全仏オープン男子ドロー表<<【錦織圭 全仏オープン戦歴】
<2014年>
・1回戦 敗退
M・クリザン(スロバキア) 6-7 (4-7), 1-6, 2-6
<2013年>
・1回戦 勝利
J・レヴィン(アメリカ) 6-3, 6-2, 6-0
・2回戦 勝利
G・ゼミヤ(スロベニア) 6-1, 5-7, 6-1, 6-4
・3回戦 勝利
B・ペール(フランス) 6-3, 6-7 (3-7), 6-4, 6-1
・4回戦 敗退 R・ナダル 4-6, 1-6, 3-6
<2011年>
・1回戦 勝利
ルー・イェンスン(台湾) 6-1, 6-3, 6-4
・2回戦 敗退
S・スタコフスキ(ウクライナ) 1-6, 6-3, 3-6, 6-7 (3-7)
<2010年>
・1回戦 勝利
S・ヒラルド(コロンビア) 2-6, 4-6, 7-6 (7-3), 6-2, 6-4
・2回戦 敗退
N・ジョコビッチ(セルビア) 1-6, 4-6, 4-6
<2008年>
・予選1回戦 勝利 J・M・アラングレン(アルゼンチン) 1-6, 6-3, 6-2
・予選2回戦 敗退
S・グロイル(ドイツ) 2-6, 5-7
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