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男子テニスで「2013ATPエース・フォー・チャリティ」助成金プログラムの助成対象がこの度決まった。本助成プログラムは1年に1度、慈善事業に関与している選手・大会に1万ドルを授与する。
今回の助成対象も世界中で幅広い支援活動を行っている。例えば、セルビア・マレーシアでの幼児教育の普及、コロンビア・ポルトガル・タンザニアでの恵まれない子どもたちのためのテニスプログラム、アメリカ・イギリス・ウクライナにおける健康促進、ルーマニアににおける高齢者福祉サービスなどがあげられる。
今回で3年目を迎える「ATPエース・フォー・チャリティ」プログラムは、世界規模のイニシアティブであり、ATPの大会が開催される地域への恩返し、また選手・大会による慈善事業を評価・支援することを目的としている。
今年は8選手並びに6大会が助成対象に決まった。各選手・大会の受賞理由は以下の通り。
1.N・ジョコビッチ(セルビア):2007年に設立されたノヴァーク・ジョコビッチ財団は、子どもの発達および包摂的な就学前教育に力を入れている。特にセルビアの恵まれない地域に住む子どもが、知的刺激がある創造的で安全な環境で成長し遊べるような試みを続けている。今回の助成は、子どもがともに遊び、専門家が手がけたプログラムを通じて学べるような幼稚園やスペースの新設・改築に利用される。
2.A・ファリャ(コロンビア):テニス・フォー・コロンビアは、地元のテニスクラブで家族を支えるために若くして働き始めた恵まれないボールボーイ・ガールの個人・社会的成長を支援している。また、学業に対する奨学金を提供しており、奨学生は教育を受け、人生の機会を増やすことができるようになる。
3.A・クレシ(パキスタン):クレシはストップ・ウォー・スタート・テニスを設立しており、この財団はテニスを通じた平和促進に注力している。本財団は紛争によって引き裂かれた地域社会と国家を統合する架け橋としてスポーツを用いており、両者の違いを埋め、戦争の傷を癒すことを目的としている。クレシは今年、この試みの中でイラク、スリランカ、コロンビア、パキスタンといった土地を訪れている。各地では関係者に会い、コート上ではテニスを披露、また各プロジェクトの今後を話し合う会議にも参加している。
4.T・ロブレド(スペイン):トミー・ロブレド財団は、体に障害を持つ人々、主に車いすテニスプレーヤーにスポーツトレーニングを提供する活動を展開している。また肉体・精神的健康、個人の成長と福祉におけるスポーツの重要性について人々の意識を啓発している。同財団は車いすテニスの国際大会「Santi Silvas Open」を開催しており、世界から男女トップ選手が出場、来年は5周年を迎える。
5.O・ロクス(ベルギー):ロクスが大使を務めるテニス・フォー・アフリカは、アフリカ大陸の恵まれない子ども・家族に支援を提供している。1998年以降、同財団はオンライン・オークションおよびスポーツ・文化活動の開催を通じて人道支援プロジェクトへの資金を集めている。
6.S・スタコフスキ(ウクライナ):エース・ザ・キャンサーは、スタコフスキがツアーでエースを放つたびにウクライナの国立がん研究所に5ドルを寄付している。スタコフスキの父は同研究所に勤務しており、この寄付は研究および初期段階のがんの予防に使われている。スタコフスキはオジを胃がんで亡くしており、それがきっかけてエース・ザ・キャンサーを設立した。オジはがんの発見が遅く、亡くなるまでスタコフスキは入院先の国立がん研究所を定期的に見舞っていた。
7.J・ティプサレビッチ(セルビア):がん患者の親が設立され、小児がんによって影響を受けた家族のサポートグループである。同グループは資金集め、献血、法的支援など、多くの活動を展開している。また医療従事者や医療機関と治療や病状の改善に向けての取り組みにも従事。また「ティプシー・キャンプ」と呼ばれるリハビリ・キャンプを開催、がんからの回復途上にある子どもの恐怖と不安を取り除く試みにも取り組んでいる。
8.A・コレッジャ(スペイン):コレチャが支援する「スモール」は、小児がんの医療処置、またその子どもと家族の病院滞在の質を向上することを目的にしている。今回の助成金はスモールの最新のプロジェクトに対するもので、その内容はスペイン・バルセロナで小児がん専門の病院を建設するというもの。外来で治療を受ける患者を支援する病院となる。
9.BRDナスターゼ・ティリアク・トロフィー(ルーマニア):同大会が支援する財団は、ルーマニアの恵まれない高齢者など、脆弱な社会集団の福祉のために活動を行う団体。チェーン店のパン屋を設立し、そのビジネスを通じて資金援助を行う。同財団は現在「尊厳を持って生きよう:高齢は負担ではない」というプロジェクトを行っており、統合された社会サービスを企画・促進することで周縁に置かれた高齢者の状況の改善に取り組んでいる。
10.W&Sマスターズ(アメリカ):同大会が開かれるシンシナティの子ども病院メディカルセンターの子ども患者を対象とするドラゴンフライ財団は、がん及び血液の病気を抱える子ども・青年に楽しさを提供する団体である。活動分野は3つあり、患者・家族・病院へのギフトプログラム、ケア・サポートプログラム、社会イベント・エンターテイメントとなっている。今大会は同センターのための取り組みを1974年から実施している。
11.AEGON選手権(イギリス):同大会は「St Wilfrid'sホスピス」と慈善パートナーシップを組んでいる。同ホスピスは生命を脅かすような病気に苦しむ大人へのケアを提供している。具体的には、資格を持つ看護師や介護者が患者の家でケアを行い、自宅でホスピスを提供する。また、同団体は今大会が開催されるイーストボーンに現代的なホスピスを新設しようとしており、新設病棟は現在の2倍の入院患者を収容可能で、ケアの質も向上する見込みだ。
12.エストリル・オープン男子(ポルトガル):今大会がスタートした2009年から支援を続けている「The Academia dos Champs (ADC)」は、テニスを通じてできる限り多くの子どもたちが将来を定め、それを追い求めるのを手助けしている。手助けが必要な地域を特定しADCテニスセンターを設立、テニスレッスンと大会を提供することで子どもの社会・個人的スキルの向上を目指し、子どもたちの夢へと導く。今回の助成金は新しいセンターの設立費用にあてられる。
13.マレーシア・オープン(マレーシア):同大会が推薦する「子どもの尊厳財団」は、マレーシアの都市部に住む貧困層の子どもたちのために大規模な学習センターを運営している。現在、2歳から20歳までの700人の子どもにサービスを提供している。プログラムは8つあり、早期幼児教育、職業教育、スポーツ育成、教員養成などが目的とされる。子どもたちのニーズに合う形で企画がなされ、貧困の鎖から脱却するために欠かせない学業・社会・個人的スキルを子どもたちは獲得している。
14.シティ・オープン男子(アメリカ):「ワシントン・テニス&教育ファンド(WTEF)」は非営利の団体であり、テニスと教育を2つのプログラムにまとめ、年間1000人の子どもたちにサービスを提供する。団体の目的はワシントンDCに住む中で特に貧困地域の若者の生活を向上させ、学業・運動・コミュニティ構築活動を通じて規律を教え、自信をつけさせ、学業成績の改善を図る。今回の助成金は、24の学校が参加するラウンドロビン方式のテニス大会に資金を提供する「アーサー・アッシュ子どもプログラム」の支援に使用される。
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