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元世界女王が貫録をみせて久々の決勝へ◇BGLルクセンブルグOP

女子テニスツアーのBGLルクセンブルグ・オープン(ルクセンブルグ/ ルクセンブルグ、賞金総額22万ドル、ハード)は20日に準決勝を行い、ノーシードから勝ち上がっているV・ウィリアムズ(アメリカ)が同じくノーシードのA・ペトコビッチ(ドイツ)を5-7, 6-4, 6-4の逆転で下し、決勝に駒を進めた。

世界ランク182位のペトコビッチは元世界女王で現在は同41位のヴィーナスから第1セットを7-5で奪い、第2セットを奪われた後のファイナルセットでも4-4までヴィーナスに食らい付く。

しかし第9ゲームで痛恨のサービスブレークをされてしまうと、第10ゲームをしっかりキープしたヴィーナスが結局は格上の意地をみせ、2時間38分の熱戦に終止符を打った。

試合後、ヴィーナスは「タフな対戦相手だった。息をつく間もなかったわ。彼女はとても好調で、すべてのポイントで攻撃を仕掛けてきた。こういう場合の対処方法は対戦相手よりも多くのポイントを取ること。今日もそれを試し、耐えて耐えてより多くのポイントを取ろうとしたの。」と作戦を打ち明けた。

一方、敗れたペトコビッチは「故障からの復帰後、初めての大会だった。年を取ってしまったかのように感じたわ。ここ数週間、不安でいっぱいだったからここまで残れて何より。いい感触がつかめている。もう一度、高いレベルでプレーできる気がしているわ。」と敗戦にも関わらず自信を深めたようだった。

相次ぐ故障および免疫系の疾患により2年連続でシーズンを棒に振っていたヴィーナスは決勝戦でM・ニクルスク(ルーマニア)と対戦する。ニクルスクは準決勝でD・ハンチュコバ(スロバキア)に6-1, 6-3で圧勝しての勝ち上がり。

試合後、ニクルスクは「ダニエラ(ハンチュコバ)のストロークは速く強力なのですが、今日はよくボールが読めました。試合開始当初から安定したプレーができ、どのポイントも厳しいものでしたが、やるべきことをきっちりやりました。信じられないプレーができました。」と調子のよさに驚きを隠せない様子だった。

そのハンチュコバは「彼女(ニクルスク)は私にテニスをさせなかった。彼女のプレースタイルは変わっているので、うまく対応できなかったわ。フォアハンドでスライスを多用する選手は多くないのでやりにくかった。ウィナーを打ちたいんだけれど焦ってしまうとボールがフェンスまで飛んで行ってしまう。打つ手がなかった。」と肩を落とした。

世界70位のニクルスクは昨年の今大会でも決勝に進んでおり、決勝では現世界女王のV・アザレンカ(ベラルーシ)に敗れたものの準優勝を収めていた。

今大会と相性がよいことについて聞かれたニクルスクは「なぜか分からないの。説明できたらいいんだけど!ドローをみて1回戦から厳しいなと思っていたくらいなので期待はしていなかった。今期も故障でそれほどよい結果は残せていないし、故障からの復帰は本当に難しい。北京の大会でも準決勝まで進んでポイントを維持しなければならなかったけどできなかった。だから期待していなかったの。」と話している。

「2連連続で決勝に進めて、優勝できる機会を与えらたこと、またダブルスでも決勝に残っていること、すべてがすばらしく、幸せです!」

25歳のニクルスクはWTAツアーでまだ優勝がない。他方、ヴィーナスはこれまで43勝、四大大会では7勝しているが、2010年2月のアカプルコの大会以降、優勝から見放されている。

決勝についてヴィーナスは「決勝に進めてなにより。でも優勝することを目標にしないと勝てない。ここで終わりたくはないから。彼女(ニクルスク)はダニエラを下しての決勝だから調子がいいに違いない。彼女のプレーはトリッキーだけど、だからこそ試合が面白くなる。彼女のプレーを観るのが好き。決勝では粘り強くプレーをし、できる限り私のプレーをするわ。」と意気込みを語っていた。

今大会の優勝賞金は3万7000ドル。

(翻訳/森田系太郎)

(2012年10月21日10時10分)

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