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女子テニスツアーのタシケント・オープン(ウズベキスタン/タシケント、賞金総額22万ドル、ハード)は11日、シングルス1回戦残り11試合が行われ、日本からだた一人エントリーしていた土居美咲(日本)がJ・コーエン(アメリカ)を6-3, 6-0の快勝で下し約2ヶ月ぶりのツアー本戦での勝利を飾った。
コーエンのサーブで始まったこの試合、土居はいきなりブレークして幸先の良いスタートを切った。しかし続く第2ゲームですかさずブレークバックを決めたコーエン。その後は両者サービスキープからゲームカウント3-3へ。
その後も接戦にもつれるかと思われた試合だったが、そこから一気に土居が試合を支配し始める。第1セットの第7ゲームをブレークすると、第9ゲームでもブレークに成功してそのセットを先取。第2セットはコーエンに1ゲームも与えず、実に9ゲームを連取して69分の快勝でコーエンを退けて2回戦へ駒を進めた。
6月のバーミンガム大会では、第1シードのF・スキアボーネ(イタリア)を下すなど、自身初となるWTAツアーでのベスト8進出を果たした土居は、2度目の準々決勝進出を懸けて2回戦で第7シードのA・パノワ(ロシア)と対戦する。
この日は上位シード勢が敗退する波乱の1日となった。その波乱を演じたのはK・ナップ(イタリア)と予選を勝ち上がったD・ヴェキッチ(クロアチア)で、ナップは第1シードのM・ニクルスク(ルーマニア)を2-6, 6-3, 7-5の逆転で、ヴェキッチは第4シードのM・リバリコワ(スロバキア)を7-6 (7-3), 6-3のストレートで下す金星を飾った。
世界ランク47位のニクルスクは同ランク135位のナップに対し、第1セットでは1度もブレークポイントさえ握らせない完璧なテニスを披露し、2度のブレークを奪いそのセットを先取した。
第2セットに入って調子を上げたナップは、1度ブレークを許すも2度のブレークを奪い返しセットオールへ。勝敗を決める第3セットでも先にブレークに成功しリードしたナップがゲームカウント5-4からサービング・フォー・ザ・マッチを迎えるもニクルスクがブレークバック。ゲームカウント5-5と意地を見せた。
しかし勝利を飾りたいニクルスクだったが、続くサービスゲームでダブルフォルトを犯すなど、再びブレークをナップに許してしまい、ゲームカウント6-5から2度目サービング・フォー・ザ・マッチをしっかりキープしたナップが第1シードを下す波乱を演じ、これで両者の対戦成績を1勝1敗へとイーブンにした。
4年前には自己最高位の35位を記録していたナップだったが、その後は怪我などでトップ100から脱落していた。この日は当時のプレーを彷彿とさせ世界47位のニクルスクを下し、5月のローマ大会以来となる本戦での勝利を飾った。
「モニカ(ニクルスク)はとても変わったプレーをする選手。でも以前にも対戦していたから、勝つためには積極的なプレーに努めしっかりボールを打つ必要があると知っていたの。今日はそれが出来た。出だしは全くリズムが掴めなかったけど、試合が進むにつれて、自分のショットが打てるようになった。」とナップは、戦略を用意して試合に臨んでいた。
同ランク183位で予選を勝ち上がった18歳のヴェキッチは、年初390位だったランキングを一気に100位台へと上昇させ、先に行なわれた全米オープンの予選でも2試合に勝ち、本戦まであと1勝と迫る成長株だった。
今大会も予選をノーシードから3試合を勝ち上がり本戦入り。この日の試合でも、同ランク54位のリバリコワに全く引けを取らないテニスを見せた。第1セットはゲームカウント5-3とリードしたヴェキッチは、3度のセットポイントを握るも力が入り取り切れなかったものの、その後のタイブレークでも優位に進め第1セットを先取。
流れを掴んだヴェキッチは第2セットでも1度ブレークをリバリコワに許したものの、3度のブレークに成功すると、各上のリバリコワを圧倒。1時間54分で勝利を飾り、WTAツアー本戦でのデビュー戦を白星で飾った。
「今日は初めてのトップ100選手からの勝利だったから、本当に嬉しい。第1セット、ゲームカウント5-3とリードした時に握った3本のセットポイントの時は緊張してしまった。それでもその後のタイブレークでは自信を持ってプレーが出来て、それを第2セットでも続ける事が出来た。」とヴェキッチは初々しく試合を振り返っていた。
ナップはC・フォイアスタイン(フランス)を7-6 (7-4), 6-4で下したE・ビルネロバ(チェコ共和国)と、ヴェキッチはL・アルアバレナ(スペイン)=ベシノとベスト8進出を懸けて2回戦で対戦する。
その他のシード勢は順当な勝ち上がりを見せた。第5シードのA・カダントゥ(ルーマニア)が予選勝者のE・ビュチコワ(ロシア)を3-6, 6-4, 7-5で、第6シードのB・ヨバノフスキ(セルビア)はD・ファイゼンマイアーを6-2, 2-6, 6-4で、第8シードのG・ウォスコボエワ(カザフスタン)も予選勝者のV・ドロンチ(セルビア)を3-6, 6-1, 6-0で倒して順当に2回戦へ進んだ。
カダントゥはS・シャリポバと、ヨバノフスキはラッキールーザーのM・プイグ(プエルトリコ)を6-4, 6-2で退けたE・ダニリドー(ギリシア)と、ウォスコボエワはL・ツレンコ(ウクライナ)を6-4, 6-3で倒した予選勝者のA・チャクエタゼ(ロシア)と、それぞれ2回戦で顔を合わせる。プイグはK・ボンダレンコ(ウクライナ)が急遽欠場したためラッキールーザーで本戦入りしていたが、幸運を生かす事は出来なかった。
この日の試合結果は以下の通り。
K・ナップ ○-× M・ニクルスク (1), 2-6, 6-3, 7-5
D・ヴェキッチ ○-× M・リバリコワ (4), 7-6 (7-3), 6-3
A・カダントゥ (5) ○-× E・ビュチコワ, 3-6, 6-4, 7-5
B・ヨバノフスキ (6) ○-× D・ファイゼンマイアー, 6-2, 2-6, 6-4
G・ウォスコボエワ (8) ○-× V・ドロンチ, 3-6, 6-1, 6-0
A・チャクエタゼ ○-× L・ツレンコ, 6-4, 6-3
V・ディアチェンコ(ロシア) ○-× N・アブドゥライモバ, 6-2, 6-4
E・ダニリドー ○-× M・プイグ, 6-4, 6-2
E・ビルネロバ ○-× C・フォイアスタイン, 7-6 (7-4), 6-4
土居美咲 ○-× J・コーエン, 6-3, 6-0
I・C・ベグ(ルーマニア) ○-× A・アマンムラドワ(ウズベキスタン), 6-4, 6-3
今大会の優勝賞金は3万7000ドル。
(翻訳/弓削忠則)
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