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第5シードのセリーナが初の初戦敗退◇全仏オープン

テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、クレー)は大会3日目の29日、女子シングルス1回戦が行われ、地元勢のV・ラッツァーノ(フランス)が第5シードのS・ウィリアムズ(アメリカ)に4-6, 7-6 (7-5), 6-3の逆転で勝利、2回戦に進出する大番狂わせが起きている。

第1セットを先取したセリーナは、第2セットでは勝利まであと2ポイントというチャンスが9回もあり、さらにタイブレークでは5-1と大きくリードしていた。しかし、世界ランク111位のラッツァーノは6ポイントを連取して第2セットを奪うと、第3セットでは試合の主導権を握った。

「今日は過去にないくらいのミスを犯してしまいました。それも人生です。」とセリーナは肩を落とした。

今季のクレーシーズンで、セリーナは2つのタイトルを含む17勝0敗と絶好調だった。しかし、前哨戦であるローマでは準決勝を前に背中の怪我を理由に棄権していた。

怪我について聞かれたセリーナは「何も以上は感じません。100%健康です。」と、体調面での不安はなかったとしている。

崖っぷちから第2セットを奪ったラッツァーノは、第3セットでは一気に5-0とリードを奪う。セリーナはそこから3ゲームを取り返すと、第9ゲームだけで23分にも及ぶ激闘となった。

このゲームでセリーナは5本のブレークチャンスがあった。「もしブレークできたら、次は自分のサーブに戻れると考えていました。そういったことが頭の中をよぎっていました。」と、セリーナはその時の状況を振り返っている。

5本のブレークピンチを切り抜けたラッツァーノは、8本目のマッチポイントでようやく試合に終止符を打つと、今大会の優勝候補の一人を大会から退場させることとなった。

大金星となったラッツァーノは「素晴らしいチャンピオンが相手だったので、ものすごく集中しなければなりませんでしたし、最後の最後まで彼女は諦めることはありませんでした。精神的に強くある必要がありましたし、全てを懸けました。」と、試合を振り返った。

30歳のセリーナは1998年からグランドスラムに出場しているが、1回戦で敗退するのは今大会が初めてのこととなった。

女子シングルスのボトムハーフで、セリーナと並び優勝候補と考えられている第2シードのM・シャラポワ(ロシア)は、A・カダントゥ(ルーマニア)に6-0, 6-0と完勝、順当に2回戦に進出している。

今大会で優勝すると生涯グランドスラム達成となるシャラポワは「相手がどんなに悪くプレーしようとも、良いプレーしようとも、試合には勝たなくてはなりません。どちらがチャンスを掴むのかというだけです。」とコメントを残している。

四大大会では今大会を除く3大会でタイトルを獲得しているシャラポワであるが、唯一クレーコートで行われる全仏ではいまだに決勝進出すら果たしていない。昨年は自己最高記録に並ぶベスト4で敗退していた。

「年を追うごとに上達している感覚がありますし、それをもっと楽しめるようになりました。」とシャラポワ。「試合やポイントの組み立てについてたくさん学びました。数年前よりもフットワークも良くなりましたし、リカバリーの際に助かっています。」

この日の試合が全仏オープンデビューだったカダントゥは「あのように大勢の観客がいることでいっぱいです。とても楽しめました。」と、初めての大舞台に興奮した様子だった。

これ以上ない完璧な滑り出しを見せたシャラポワは、2回戦で森田あゆみ(日本)と対戦する。森田はこの日、P・エルコグ(スロベニア)を3-6, 6-4, 6-3の逆転で下し、2年連続となる2回戦進出を果たしている。

この他の試合の結果は以下の通り。

P・クヴィトバ(チェコ共和国) (4) ○-× A・バーティ(オーストラリア), 6-1, 6-2
C・ウォズニアキ(デンマーク) (9) ○-× E・ダニリドー(ギリシア), 6-0, 6-1
F・スキアボーネ(イタリア) (14) ○-× クルム伊達公子(日本), 6-3, 6-1
M・キリレンコ(ロシア) (16) ○-× V・ライエール(フランス), 6-1, 6-2
A・パブリュチェンコワ(ロシア) (22) ○-× G・アーン(ハンガリー), 6-4, 6-4
K・カネピ(エストニア) (23) ○-× A・パノワ(ロシア), 6-3, 6-3
J・ジョルジュ (25) ○-× L・フラデカ(チェコ共和国), 7-6 (7-1), 6-4
S・ポン(中国) (28) ○-× T・パスゼック(オーストリア), 6-4, 6-3
H・ワトソン(英国) ○-× E・ヴェスニナ(ロシア), 6-2, 6-4
I・C・ベグ(ルーマニア) ○-× A・レザイ(フランス), 7-5, 5-7, 6-2
K・ザコパロバ(チェコ共和国) ○-× L・ツレンコ(ウクライナ), 6-2, 6-1
A・ルス(オランダ) ○-× J・ハンプトン(アメリカ), 6-4, 4-3, 途中棄権
T・ピロンコバ(ブルガリア) ○-× Y・ウィックマイヤー(ベルギー), 3-6, 6-0, 6-3
L・ドミンゲス=リノ(スペイン) ○-× M・イラコビッチ(ニュージーランド), 7-5, 7-5
U・ラドワンスカ(ポーランド) ○-× P・パルメンティエ(フランス), 6-4, 6-3
M・シンク(ハンガリー) ○-× A・ケタボング(英国), 6-1, 6-2
J・ガイドソバ(オーストラリア) ○-× M・リバリコワ(スロバキア), 6-3, 4-1, 途中棄権

(2012年5月30日7時43分)

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