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女子テニスツアーのソニー・エリクソン・オープン女子(アメリカ/マイアミ、賞金総額482万8050ドル、ハード)は21日、シングルス1回戦19試合が行われ、クルム伊達公子(日本)はV・ウィリアムズ(アメリカ)にストレート負け、森田あゆみ(日本)は途中棄権を強いられ、土居美咲(日本)はS・ソレル=エスピノーサ(スペイン)に敗れるなど、日本勢はこの日の1回戦で全て姿を消す結果となった。
この日、スタジアム・コートの第3試合に登場したクルム伊達は、元世界ランク1位ながら主催者推薦のヴィーナスとの1回戦に臨んだ。昨年のUSオープン期間中にシェーングレン症候群と診断され大会を棄権して以来の公式戦となるヴィーナスだったが、スタートからパワフルなサーブとストロークでクルム伊達を圧倒。第1セットはクルム伊達に1ゲームも奪われずに先取する。
第2セットの第1ゲームでこの日初めてヴィーナスからブレークに成功したクルム伊達だったが、続くゲームでブレークバックを許し、その後2度目のブレークを奪われてしまう。結局、1時間17分のストレートでヴィーナスが復帰戦を勝利で飾った。
「こうしてコートに戻ってこれて最高です。」と語るヴィーナスは、昨年のウィンブルドンの2回戦でクルム伊達と対戦し、接戦の末辛くも勝利を飾っていた。「今日は精神的に疲れる試合でした。とても才能が溢れていることを知っている選手が復帰初戦の相手だったからです。」とクルム伊達の事を語っていた。
「最高の形で復帰戦を勝利で飾れました。本当に難しい相手に対しても良いテニスをする事が出来ました。今日のプレーは、まさに理想的なスタートです。」と自身のプレーに満足気だった。この試合を通して5本のサービスエースと26本ものウィナーを叩き出したヴィーナスは2回戦で、第3シードのP・クヴィトバ(チェコ共和国)と対戦する。
今大会のシード選手32名は全て1回戦が免除されており2回戦からの登場となっている。
また森田は主催者推薦のG・ムグルサ(スペイン)=ブランコと対戦したが、3-6, 6-2, 0-3とリードを許したところで途中棄権を申し入れて敗退。世界ランク208位で18歳のムグルサ=ブランコは、自身初のWTA大会の本戦で、思わぬ形で勝利が転がり込んだ。
残る日本人は予選2試合を勝ち抜いて本戦入りした土居だったが、土居もS・ソレル=エスピノーサに3-6, 4-6のストレートで敗れ、本戦での白星とは行かなかった。
第1セットで土居は、1度ソレル=エスピノーサからブレークを奪うも、3度のブレークを許しそのセットを失う。第2セットに入るとソレル=エスピノーサはサーブの調子を上げ、1度も土居にブレークポイントさえ与えず、逆に4-4からの第9ゲームで土居からブレークを奪うと続く自身のサーブをしっかりキープしてゲームセット。1時間26分で2回戦進出を決めた。
ムグルサ=ブランコは第9シードのV・ズヴォナレーワ(ロシア)と、ソレル=エスピノーサは第31シードのK・カネピ(エストニア)とそれぞれ2回戦で顔を合わせる。
その他、怪我からの復帰戦に臨んだのが元世界ランク1位のK・クレイステルス(ベルギー)で、J・ガイドソバ(オーストラリア)を4-6, 6-1, 6-0の逆転で下して2回戦進出を果たした。
今季最初のグランドスラムである全豪オープンの準決勝でV・アザレンカ(ベラルーシ)に敗れて以来、足首の怪我を理由にツアー離脱していたクレイステルス。この日は久々の試合からか、不安定なプレーで第1セットをガイドソバに奪われてしまう。
しかし第2セットに入ると、元世界1位の実力を発揮。その後はガイドソバに1度もブレークを許さず、第2セットで2度、第3セットでは3度のブレークをガイドソバから奪うと、1時間43分の逆転で勝利した。
「復帰初戦でリズムを作るのは難しい事でした。実際の試合になると、思うようなショットが打てませんでした。ただリズムを掴もうとしていて、積極的なプレーも忘れてしまっていたようです。それでも徐々に気持ち良くプレーが出来始め、試合の状況にも慣れて来ると、段々と良いショットが打てるようになりました。それが第2、第3セットで現れたのです。」
そう語るクレイステルスは昨年の今大会からの1年間で、数々の怪我に泣かされていた。右肩、手首、足首そして腹筋と立て続けに怪我に見舞われ、この1年間でわずか5大会にしか出場しておらず、現在は世界ランク37位と、結婚と出産から復帰してから一番低いランキングへと下がっていた。2回戦でクレイステルスは第14シードのJ・ジョルジュと対戦する。
その他、この日の1回戦の試合結果は以下の通り。
S・ペア(イスラエル) ○-× A・コルネ(フランス), 6-4, 6-2
B・ザーロバ・ストリツォバ ○-× V・ドゥシェヴィナ(ロシア), 7-6 (7-3), 6-4
S・フォレッツ(フランス) ○-× O・ロゴウスカ(オーストラリア), 6-4, 6-1
V・サヴィニク(ロシア) ○-× K・ザコパロバ(チェコ共和国), 6-3, 7-5
S・スティーブンス(アメリカ) ○-× P・パルメンティエ(フランス), 4-6, 7-6 (7-4), 6-4
M・シンク(ハンガリー) ○-× A・ブリアンティ(イタリア), 6-1, 6-2
M・キーズ(アメリカ) ○-× M・リバリコワ(スロバキア), 6-7 (4-7), 6-2, 6-1
M・クライチェック(オランダ) ○-× E・ビルネロバ(チェコ共和国), 5-7, 6-4, 6-0
P・エルコグ(スロベニア) ○-× J・ハンプトン(アメリカ), 6-1, 6-3
K・ボンダレンコ(ウクライナ) ○-× U・ラドワンスカ(ポーランド), 3-6, 7-6 (7-5), 6-4
A・ウズニアッキ(カナダ) ○-× E・ダニリドー(ギリシア), 4-6, 6-3, 6-0
I・ベネソバ(チェコ共和国) ○-× E・ヴェスニナ(ロシア), 7-6 (7-5), 6-1
S・アービッドソン(スウェーデン) ○-× G・ドゥルコ(アルゼンチン), 6-4, 7-5
V・キング(アメリカ) ○-× L・ポウス・ティオ(スペイン), 6-2, 7-6 (14-12)
K・ペルバク(カザフスタン) ○-× A・ヤキモバ(ベラルーシ), 6-4, 6-0
C・マーケイル(アメリカ) ○-× G・ウォスコボエワ(カザフスタン), 6-3, 6-4
クルム伊達は、S・チャン(中国)とのペアでダブルスにエントリーしており1回戦でV・キング/M・ニクルスク(ルーマニア)組と対戦する。
今大会の優勝賞金はシングルス71万2000ドル、ダブルス24万1010ドル。
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