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女子テニスツアーのロジャーズ・カップ(カナダ/トロント、賞金総額205万ドル、ハード)は9日、シングルス1回戦の残り14試合と2回戦1試合が行われ、怪我から復帰した第2シードのK・クレイステルス(ベルギー)が2回戦に登場したが、予選勝者の鄭潔(中国)に6-3, 1-2としたところで途中棄権を申し入れて敗退した。同じく怪我と病気から復帰したS・ウィリアムズ(アメリカ)は快勝で2回戦へ進んだ。
今大会の上位シード8選手は1回戦が免除されているため、この日の2回戦が今大会の初戦となったクレイステルスは、予選から勝ち上がった鄭潔と対戦。第1セットは両者サービスキープに苦しむ展開ながら、第3、第7ゲームをしっかりキープしたクレイステルスがそのセットを先取した。
第1セットから6本ものダブルフォルトを犯すなど、本来の調子ではなかったクレイステルスは第2セットの第3ゲームの最後にフォアハンドでショットを打ったあと、首を横に振りながらネットへ歩み寄り鄭潔に握手を求めて途中棄権を申し入れた。クレイステルスは試合途中から左腹筋に痛みを感じたことからの棄権となった。
「ウォーミングアップの時に腹筋に張りを感じていました。試合前にテーピングで保護して試合に臨んだのです。それでも結果は悪化する一方でした。エコーで検査してもらったら、筋肉に若干の断裂が確認できました。USオープンまでまだ数週間あるので、完治するように努力します。」とクレイステルスは怪我の状態を説明していた。
クレイステルスは、3月に負傷した右肩と手首の怪我とその後にアクシデントから痛めた右足首の捻挫のためツアー離脱を余儀なくされていた。5月に行われた全仏オープンで復帰するも、2回戦では2本のマッチポイントを握りながらも敗退。その後の芝のシーズンのオランダ大会でも2回戦敗退で足首を痛めてしまい、ウィンブルドンの欠場を余儀なくされた。さらにこの日の試合では、新たな故障を抱える結果となってしまった。
この日の1回戦ではクレイステルスと同じく、長らく怪我と病気でツアー離脱していたセリーナが登場。A・ボンダレンコ(ウクライナ)を6-0, 6-3とわずか46分で一蹴して、順調なスタートを切った。
昨年のウィンブルドン優勝後に怪我を負い、今年に入ってから病気を患っていたセリーナは、今年6月に約1年ぶりとなる復帰を果たしたが、復帰戦となったイーストボーンでは2回戦で、連覇を狙ったウィンブルドンでも4回戦敗退と、完全復活には時間がかかると思われていた。しかし、先月行われたスタンフォード大会で13ヶ月ぶりの優勝を飾るなど、本来のプレーを取り戻し始めていた。
この日の試合では第1セットでボンダレンコにわずか4ポイントしか与えない完璧なプレーを披露、わずか16分でセットを先取する。第2セットに入り、自身のサービスゲームでやっとポイントが取れるようになったボンダレンコだったが、依然セリーナのサーブをブレークできず、このセットも第8ゲームでブレークを許し万事休す。セリーナは快勝で2回戦進出を決めた。
「いくつかの事でもっと良くしたいと思いました。もっと良く、もっと激しくプレーをしたい。今の状態でグランドスラムを迎えたくはないし、USオープンはまだ先なので、そこにピークを持って行きたい。」とセリーナは、完璧と思えた試合後にも課題を見つけていた。
2回戦でセリーナはJ・ジョルジュ(ドイツ)と対戦する。セリーナとジョルジュの勝者が3回戦で鄭潔と顔を合わせる。
この日行われた1回戦では、シード選手が順当に勝利を飾った。第11シードのA・ペトコビッチ(ドイツ)が主催者推薦のE・ボウチャードを6-2, 6-2で、第13シードのA・ラドワンスカ(ポーランド)もE・ヴェスニナ(ロシア)を6-4, 6-1のストレートで退けた。第16シードのD・チブルコワ(スロバキア)はI・ベネソバ(チェコ共和国)と対戦し、5-7, 6-4, 3-1とリードしながらも、左腹筋を痛め途中棄権を申し入れての敗退となった。
ペトコビッチは月曜日発表の最新の世界ランクで10位と自身初となるトップ10入りを果たしていた。「今年の初めはトップ20入りすることが目標でした。なのに8月で10位になれたのです。ランキングが発表になるかなり前に、ストザーがポイントを失うことで自分の成績に関わらずトップ10入りすることを聞いていたので、不思議な気分でした。それでも先週、ベスト4入りする好成績を残せたので、自分で勝ち取った気持ちになりました。もっと上を目指したい。」と今の気持ちを語っていた。
その他の1回戦の試合結果は以下の通り。
A・イバノビッチ(セルビア) ○-× S・チャン(中国), 6-1, 6-1
S・デュボワ(カナダ) ○-× K・ウォール, 7-6 (7-4), 6-1
B・ヨバノフスキ(セルビア) ○-× J・ドキッチ(オーストラリア), 2-0, 途中棄権
A・ウズニアッキ(カナダ) ○-× S・ペア(イスラエル), 6-1, 6-0
S・ポン(中国) ○-× L・ドミンゲス=リノ(スペイン), 6-1, 7-5
F・ペネッタ(イタリア) ○-× M・キリレンコ(ロシア), 6-3, 6-1
R・ビンチ(イタリア) ○-× Y・ウィックマイヤー(ベルギー), 6-4, 6-2
D・ハンチュコバ(スロバキア) ○-× G・ドゥルコ(アルゼンチン), 6-3, 6-4
A・メディーナ=ガリゲス(スペイン) ○-× S・エラーニ(イタリア), 7-5, 6-1
P・マーティク(クロアチア) ○-× L・フラデカ(チェコ共和国), 1-6, 6-4, 6-4
ダブルスでは、クルム伊達公子(日本)がチャンとのペアーでエントリーしており、10日に行われる1回戦で第8シードのY・チャン(台湾)/An・ロディオノワ(オーストラリア)組と対戦する。
今大会の優勝賞金はシングルスが36万ドル、ダブルスが10万3000ドル。
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