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男子テニスの元世界ランク1位であるA・アガシ(アメリカ)が、テニス殿堂入りすることが木曜日に発表された。現在40歳のアガシは現役時代、グランドスラムのシングルスで8勝しており、生涯グランドスラムも達成していた。
アガシは生まれ育ったラスベガスで運営している私立学校の生徒の前で殿堂入りを発表し「テニスは僕の人生の全てを与えてくれました。妻にも出会えましたし、みんなのために学校を建設する資金をもたらしてくれ、ライフワークをくれました。」と、テニスによってタイトルよりも多くのものを手にしたと述べた。
アガシの妻であるS・グラフ(ドイツ)は、グランドスラムで通算22勝を達成しており、2004年に殿堂入りを果たしている。
アガシが初めてグランドスラムで優勝したのは、1992年のウィンブルドンでのこと。決勝では不利と言われながらも、G・イバニセビッチ(クロアチア)をフルセットで破っての優勝だった。
その後はウィンブルドンでのタイトルはなかったアガシであったが、全豪オープンでは1995年、2000年、2002年の3度、USオープンでは1994年と1999年にタイトルを獲得。そして全仏オープンでは1999年に優勝し、生涯グランドスラムを達成した。
また1995年には、USオープン決勝でP・サンプラス(アメリカ)に敗れるまで30週間ほど世界ランク1位の座に就いていた。
アガシは木曜日、サンプラスが今まで対戦した中で最高の選手だとした。R・フェデラー(スイス)に出会うまでは。「彼はテニス界の巨人になるだろうと気付いたよ。」とアガシ。
さらにアガシは、最も思い出深い瞬間として、生涯グランドスラムを達成した1999年の全仏オープンを挙げている。その理由として、世界ランク1位から100位台にまで転落、その後の優勝だからというもの。
その時は全仏オープンで優勝できるとは信じていなかったアガシ、決勝ではA・メドウェデフ(ウクライナ)を相手に2セットダウンと崖っぷちまで追い込まれていた。
「本当に怖かったんだ。足が動かなかったよ。」とアガシ。「どうにかして、それを拭い去ることができたんだ。」
この勝利によって史上5人目となる生涯グランドスラム達成者となったアガシ、一時は141位までランキングを落としてからの見事な復活劇となった。
2009年に発刊された自叙伝の中でアガシは、1997年に失意のどん底に落ちた時、禁止薬物を使用していたことを告白。陽性反応が出たドラッグテストでは、知らずに使用してしまったと嘘をついて、処分を免れたとしていた。
その本の中でアガシは、1999年にパリに到着したとき、全仏オープンのタイトルへの渇望は、10年間も彼の頭の中から離れなかったことであったと明かしている。アガシは1990年の全仏オープンで決勝に進出、優勝は目前とされていたが当時30歳のA・ゴメス(エクアドル)に足元をすくわれていた。
「そういった妄念に取りつかれ続けることは、とても我慢の出来るものではなかった。もしこのタイトルを今すぐに獲れなかったら、幸せになることはないし、本当の幸せは再びやってこないだろう。」と、当時の心理状態をアガシは本の中で語っている。
アガシは木曜日、アガシの個人的な苦悩やスタイルを見せる事によって、テニスが単なるスポーツではなく、それ以上のものになりうることを証明したかったと語っている。
アガシは1986年にプロ転向してから、そのキャリアで870勝274敗の通算成績を残し、60のツアータイトルと約3120万ドルの賞金を獲得していた。
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