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女子テニスツアーのロジャーズ・カップ(カナダ/モントリオール、賞金総額200万ドル、ハード)は現地時間の火曜日に、シングルス1回戦残り12試合と2回戦3試合を行い、ラッキールーザーで本戦入りしたクルム伊達公子(日本)が予選勝者のM・ニクルスク(ルーマニア)を7-6 (7-4), 4-6, 6-2と2時間56分のマラソン・マッチを制し幸運を生かして2回戦進出を決めた。
予選から出場した世界ランク54位のクルム伊達は、予選最終ラウンドで敗れていたが、先週のシンシナティ大会で準優勝を飾ったM・シャラポワ(ロシア)が、かかとの怪我を理由に大会直前で欠場を表明。予選第7シードだったクルム伊達がラッキールーザーで本戦入りし、この日の1回戦に臨んだ。
その試合は、第1セットは第10ゲームでニクルスクにセットポイントを握られるも、クルム伊達はそれをしのぎタイブレークへと持ち込んだ。そのタイブレークでは、終盤で畳み込んだクルム伊達がそのセットを先取に成功。しかし第2セットではいきなり2度のブレークを奪ったニクルスクに0ー4とリードを許したクルム伊達だったが、第6ゲームでブレークバックすると、終盤は互角の戦いを見せた。しかし逆転までは至らず、勝敗の行方はファイナルセットへと持ち込まれた。
第3セットの第1ゲームでいきなりブレークされたクルム伊達だったがすかさずブレークし返すと、第4ゲームでもブレークを奪い3ー1とリード。試合の主導権を握りたいクルム伊達だったが、ニクルスクもすぐにブレークバックし食い下がった。経験に勝るクルム伊達は、得意のリターンでニクルスクを翻弄。84%と高い確率で第1サーブを入れてきたニクルスクに37%しかポイントを許さず、彼女のサーブ全てブレークに成功したクルム伊達が2時間56分の死闘を制した。
ラッキールーザーの幸運を生かしたクルム伊達は、2回戦で主催者推薦のV・テトロルトを6-1, 6-0で下した第17シードのM・バルトリ(フランス)と対戦する。第1セット途中で左大腿部に張りを感じて4ー5でのコートチェンジでトレーナーを要求したクルム伊達。テーピングを施しプレーを再開しての勝利だったが、バルトリ戦に不安が残る。
この日行われた2回戦では、世界ランク3位で第1シードのJ・ヤンコビッチ(セルビア)が予選を勝ち上がった同75位のI・ベネソバ(チェコ共和国)に6-7 (3-7), 3-6で敗れる波乱に見舞われた。今大会は上位シード8選手が1回戦が免除されているため、この日の2回戦が今大会の初戦だったヤンコビッチは動きにキレが無く、第1セット5-3リードからベネソバの反撃に合い、そのセットをタイブレークの末に奪われてしまう。
第2セットでも序盤でブレークを許し0-3とリードされたヤンコビッチは、第5ゲームでブレークバックし反撃に出るかと思われた。しかし好調のベネソバは、第8ゲームで再びヤンコビッチからブレークを奪うと5-3とリードし、続く自身のサーブをラブ・ゲームでキープしゲーム・セット。2006年の全豪オープンで当時世界ランク5位だったM・ピアース(フランス)を下した以来自身2度目となるトップ10選手からの勝利を飾った。
「もう痛みはないわ。ただ練習が必要なだけ。」ウィンブルドン後のスロベニア大会で足首を捻挫していたヤンコビッチ。「怪我から復帰してからミスが多くて、本来のレベルでプレーができていない。世界のトップにいるテニスができていない。USオープンまでの1週間半で、レベルアップしなければ。」と、現状を受け止め前向きな姿勢を見せていた。
一方のベネソバは「今シーズンはあまり良い成績が残せていなかったから、とても嬉しい。自信に繋がるわ。この勝利は12年のテニス人生で最高のもの。とても興奮しているし、最高の試合だった。」と喜びを露にしていた。ベネソバはクルム伊達とバルトリの勝者とベスト8入りを懸けて3回戦で対戦する。
その他のシード勢は順当に勝利を飾った。第8シードのV・ズヴォナレーワ(ロシア)はY・シュウェドワ(カザフスタン)を6-2, 6-1で、第9シードのN・リー(中国)は予選決勝でクルム伊達を下したJ・グロス(オーストラリア)を6-3, 6-2といずれも危なげ無く退け、3回戦へ駒を進めた。ズヴォナレーワは第13シードのY・ウィックマイヤー(ベルギー)とA・サバイ(ハンガリー)の勝者と、リーは第10シードのV・アザレンカ(ベラルーシ)とM・キリレンコ(ロシア)の勝者と3回戦で顔をあわせる。
サバイはこの日の1回戦でG・ドゥルコ(アルゼンチン)を6-4, 4-6, 7-6 (7-3)で、アザレンカはK・ボンダレンコ(ウクライナ)を6-1, 6-1で、キリレンコはD・チブルコワ(スロバキア)を6-0, 6-3で下しての勝ち上がり。
その他、この日行われた1回戦の試合結果は以下の通り。
S・クズネツォワ(ロシア) (11) ○-× A・パブリュチェンコワ(ロシア), 7-5, 4-6, 6-1
F・ペネッタ(イタリア) (15) ○-× D・ハンチュコバ(スロバキア), 6-0, 7-5
B・マテック(アメリカ) ○-× M・ウダン(アメリカ), 6-1, 6-4
E・マカロバ(ロシア) ○-× L・フラデカ(チェコ共和国), 6-0, 6-4
A・クレイバノワ(ロシア) ○-× H・エル=タバク(カナダ), 6-1, 6-2
鄭潔(中国) ○-× K・シュレボトニック(スロベニア), 6-3, 6-2
N・ペトロワ(ロシア) ○-× L・サファロバ(チェコ共和国), 7-5, 4-6, 6-3
今大会の優勝賞金は35万ドル。
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