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女子テニス世界ランク1位のJ・エナン(ベルギー)が14日、ベルギー・リムレットのテニスクラブで記者会見を行い、引退を正式に表明した。会見にはジュニア時代から師事してきたコーチのカルロス・ロドリゲス氏も同席。世界1位在位中の引退は女子では初めてのこと。
25歳のエナンは、「今まで出来る限りの全てのことを経験してきた。テニスに全てを捧げてきた。今はほっとしているし、やり遂げたことに誇りを持っている。」と話した。1999年1月のプロ転向以来、およそ9年半の間に四大大会7勝を含む通算41勝を獲得し、3度の年間ランキング1位に輝いた。
シングルスでは通算600試合で493勝107敗、獲得賞金が約20億のエナンは、「素晴らしい冒険の終わりだけれども、長い間ずっと考えてきた。最終的な決断で、私を知る人なら真剣だと分かってくれる。」と付け加え、復帰の意思も無いことを語った。
エナンは今年ツアー2勝を上げているものの、全豪オープンでは準々決勝でM・シャラポワ(ロシア)に完敗し、その後もソニー・エリクソン・オープンではS・ウィリアムズ(アメリカ)に、先日のベルリン・オープンでもD・サフィーナ(ロシア)に敗れて、今週のイタリア国際は疲労感を理由に欠場していた。
WTAツアー最高経営責任者のラリー・スコット氏は、「今日は、我々のテニスという競技、そして世界中の彼女(エナン)のファンにとって悲しい日となった。しかし、彼女の前途に幸があることを祈っているし、これからもテニスに関わっていてくれることを望んでいる。」とコメントした。
フェドカップ・ベルギー代表監督のサビーネ・アペルマンス女史は、「とてもショックを受けた。さびしいけれど、彼女の選択を尊重したい。テニス選手は全員、そのキャリアの中でモチベーションの問題を通過するものだから。」と語った。
B・ジーン・キング(アメリカ)は、「彼女はPound for pound(階級の壁を越えた最も偉大で最強の王者の意)に値する、同世代で最も偉大なチャンピオン。今回の引退が容易にたどり着いたものではないと信じているし、これが最善であることを祈るわ。」と、身長167センチ、体重57キロという体格のエナンを労った。
エナンは、M・コート(オーストラリア)(1977年に5位で引退)、C・エバート(アメリカ)(1989年に4位で引退)、S・グラーフ(1999年に3位で引退)、K・クレイステルス(ベルギー)(2007年に4位で引退)に続く、5人目のランキング・トップ5以内で引退した選手となった。
これで、5月25日に開幕する全仏オープンはディフェンディング・チャンピオンが不在ということになり、2002年に優勝したセリーナ・ウィリアムズただ1人が優勝経験者で、その他の誰が勝っても新チャンピオン誕生ということになった。
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