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四大大会9勝を誇る元世界ランク1位のM・セレス(アメリカ)が14日、公式に引退を表明し、19年のキャリアに終止符を打った。
現在34歳のセレスは、シングルスで53回、ダブルスで6回のツアー優勝を果たした名プレーヤーで、1991年3月にはS・グラーフを退けて、当時は最年少記録だった17歳3ヶ月と2日で初めて世界ランク1位に上り詰めた。(現在はM・ヒンギス(スイス)の16歳6ヶ月と1日が最年少となっている。)
合計で178週間も世界1位の座に就いたセレスは、L・ダベンポート(アメリカ)が出産から見事なツアー復帰を果たしたことに刺激され、昨年の12月にグランドスラムを含む数大会に限って復帰を考えたが、「テニスはこれまでも、そしてこれからも自分の人生の大半を占めるもの。ここ数年、何度かツアーに復帰しようという考えがよぎったけれど、今はキャリアに終止符を打とうと決断した。」と、現役引退を決意したことを話した。
セレスは2003年の春、足の怪我のためにツアー離脱を余儀なくされた。その後、2005年にニュージーランドで行われたエキジビション・マッチに出場し、M・ナブラチロワ(アメリカ)と2度対戦したがいずれも敗れていた。
女子テニスツアーWTA会長のラリー・スコット氏は、「モニカ・セレスはWTA史上、最も素晴らしいチャンピオンの1人。世界各国のテニス・ファンへ多くの刺激を与え、お手本になる選手として活躍していた。今回の苦渋の決断は誰も忘れることはしないだろう。彼女以上の功績や、コート外の振る舞いを見せる強く優しい選手は、これからも現れないであろう。」と最大の賛辞を贈った。
そんなセレスに悲劇が襲ったのは1993年4月。ドイツ・ハンブルグ大会の試合中に暴漢に背中を刺され、2年以上もコートを離れることとなった。しかし、1995年にツアー復帰し、初戦のカナディアン・オープンで優勝。その後のUSオープンでも準優勝に輝くなど、その実力の高さを証明した。1996年には全豪オープンで優勝し、9つ目のグランドスラム・タイトルを獲得した。
現在は、テニスのイベントや、テレビの解説を努めているセレスは、「もちろんこれからもテニスは続けるわ。チャリティでのエキジビションやテニスの普及活動としてね。でも、ツアーで世界を回ることはもうないでしょう。これまでと同じ情熱とエネルギーを持って、他の目標へ突き進むわ。現役時代にテニスへ注いだのと同じ熱意を、自分が思いを寄せる2つ、子供達と動物へと注ぐつもり。」と、今後のチャリティ活動への意欲を語った。
「これまで何年にも渡って支えてきてくれた最高のファンに、特に感謝の意をささげたい。みなさんの応援は、良い時期はもちろん、悪い時期をも乗り越える支えになりました。テニスの試合との別れを惜しむのと同じくらい、ファンの皆さんとのお別れも寂しく思います。」とコメントした。
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