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(フランス、パリ)
全仏オープン最終日は、すがすがしいテニス日和に恵まれる中、男子シングルス決勝が行われ、R・ナダル(スペイン)がR・フェデラー(スイス)を6-3, 4-6, 6-3, 6-4で下し、見事3年連続優勝を決めた。同オープン3連覇は1980年のB・ボルグ(スウェーデン)以来の快挙。今季はクレーでのプレーに磨きをかけたフェデラーだが、赤土の申し子には今一歩及ばなかった。
試合では、常に安定したプレーを見せるナダルに対し、いつものように大事な点を勝ち取ることができないフェデラーが自らエラーの山を築いていった。ナダルは10回のブレークチャンスのうち4回成功を決めたのに対し、フェデラーは17回のうちわずか1回しか物にできず、それが勝敗を分けた。エラーの数は60と、ナダルの28を大きく上回った。サーブも決まらず、ファーストサーブの確率も最後は64%まで向上したが、第1セットでは38%と低調だった。
「あれだけチャンスがあったのに、ことごとく逃してしまった。ブレークチャンスは作れても、そこで成功してブレークしないと意味がない。それで自信を段々なくしてしまった。特に第3セットの出だしでは、完全に差をつけられた。」と、フェデラーは自らのプレーを振り返った。
1時間近い神経戦となった第2セットをなんとか物にした直後に、ブレークされ0-3と一気に離されたフェデラーは、心身ともに音を上げ始めたのかもしれない。
一方のナダルは連日の疲れを全く感じさせないフットワークでフェデラーの攻撃をかわし、サーブ、リターンともに乱れを全く見せなかった。
「素晴らしい観客の皆さんの前で、ここまでいいプレーができるなんて、夢のようだった。」と、会心のプレーにナダル自身も感無量だった。
ナダルは2005年に今オープンに初出場し、準決勝でR・フェデラーを、決勝でM・プエルタ(アルゼンチン)を倒して優勝、それ以来ローラン・ギャロスの赤土では無敗を維持している。
「毎回違う意味で感動的だ。最初の年は初優勝、去年は怪我から復帰した後だったし、そして今年は自分の最高のテニスができたことが何より嬉しい。ネットプレー、フォアハンド、バックハンドともに改善して、自分でも成長したと感じている。」と、ナダルはこれまでの軌跡をたどった。
今回優勝していれば生涯グランドスラムを達成したフェデラーだが、その夢の実現はまた来年以降に持ち越しとなった。
「自分はまだここで優勝できる自信がある。もし今日優勝していたら、自分のテニス人生におけるゴールが一つ減っていたわけで、まだそれが目標として残っている分、それが取れれば本当に嬉しく思うだろう。」と、フェデラーの挑戦は続く。
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