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今月24日76歳で死去したボリス・エリツィン元ロシア大統領は、生前熱狂的なテニスファンとして知られており、現在ロシア出身のトッププレーヤーがひしめくプロテニス界に与えた影響は多大なものがある。
大統領就任後まもなく、エリツィン氏が余暇でテニスを楽しむ写真がマスコミに流れ、全世界に広まったことがことの発端。するとまさに一夜にしてテニスが新生ロシアの国民的スポーツとして脚光を浴び、テレビや新聞で大きく取り上げられるようになった。
同時に、テニスのビジネス的側面も注目され、スポーツ界でもトップクラスの世界ツアーを有するテニスに多大な投資が行われた。結果、現在ロシアでは2,500を超えるテニスコートが存在するテニス大国へと変貌を遂げた。
もちろん、この間もエリツィン氏は個人的にも選手たちに熱いエールを送り続けた。ロシアのデビスカップ、フェドカップのキャプテンであるシャミル・タルピチェフとも交友が深く、母国チームの応援のために幾度となく会場に足を運んだ。
2002年フランスで行われたデビスカップ決勝、2004年モスクワで行われたフェドカップ決勝など、ロシア優勝の歴史的場面に居合わせ、会場と一体となって喜ぶ姿も記憶に残る。地元開催のクレムリン・カップで2003年にA・ミスキナ(ロシア)がロシア女性として初のタイトル獲得を実現したときは、コートに走り降りて大抱擁するハプニングもあった。ミスキナは元大統領を大変慕っており、WTAが試合中にコート上にコーチを呼んで指導を受けられるようにルールを変えた際に、ミスキナはエリツィン氏の指導を依頼するのでは、とのジョークが交わされたほどだった。
今年はデビスカップ、フェドカップともに優勝候補に上げられているだけに、その応援に駆けつけることができず、エリツィン氏も悔やんでいるかもしれない。
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