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(フランス、パリ)
全仏オープン9日目は、男子シングルスの4回戦が行われ、ベスト8が全て出揃った。
注目が集まったのは、連覇を狙う第2シードのR・ナダル(スペイン)と第14シードのL・ヒューイット(オーストラリア)の一戦。これまでの3回の対戦では全てヒューイットが勝利しており、ナダル不利とする見方もあった。しかし、前回の対戦の2005年全豪オープン4回戦でのフルセットの敗退の雪辱を果たすかのように、両者初のクレーでの対戦をナダルは6-2, 5-7, 6-4, 6-2で退け勝利を物にした。これでナダルのクレーでの連勝は57となった。
ナダルは、「彼(ヒューイット)は、とても勝負強いプレーをしていた。もし、ちょっとでもミスが増えていたら、確実にやられていただろう。気を抜いていたら、痛い目に合うような危険な選手なんだ。本当に辛抱強い選手さ。」と、ヒューイットを賞賛し、かなり気を引き締めて試合に臨んでいたことを語った。
先週土曜日の20歳の誕生日には、P・H・マチュー(フランス)に1セットを奪われ苦しい試合を強いられる局面もあったが、この日は第3セットの第9ゲームをブレークすると勢いに乗り、その後は試合を支配した。
ヒューイットは、「第3セットの終盤くらいから第4セット全体にかけて、サーブの調子がかなり落ちてしまったんだ。ファースト・サーブがとにかく上手くいかなくて、それで、ナダルにプレッシャーをかけることができなくなってしまった。」と、敗戦の流れを分析していた。
ヒューイットも多くの見方と同じく、R・フェデラー(スイス)とナダル(対戦成績はナダルの5勝1敗)のトップ2シードの決勝戦になるとの見解をしている。
「順当に行けば、やはりナダルとフェデラーの決勝戦になるだろうね。もちろん、その二人の対戦で何が起こるかは誰も分からないけどね。フェデラーはここ最近、クレーでのプレーのレベルを上げてきているから、ナダルに近づいているのは確か。彼のしていることは正しいけれど、それでも未だにその壁を越えることはできていないのも事実。だから逆に、気持ち的にも実際の対戦成績でも、ナダルが自信を深めてもおかしくないのも事実だ。」と、ヒューイットは分析していた。
ナダルの次の対戦相手はN・ジョコビッチ(セルビア)。ジョコビッチは4回戦で、19歳対決となった第25シードのG・モンフィス(フランス)に7-6(7-5), 7-6(7-5), 6-3で競り勝った。両者ともグランドスラムでは初の4回戦進出だった。
敗れたモンフィスは、「彼(ジョコビッチ)は、見かけよりもっとビビっていたと思うよ。各セット物にするのにかなり手こずっていたからね。精神的な部分では、もし自分がもっとこの試合に勝ちたいって思えたら、きっと勝利を手にできていたと思う。肉体的には最高とは言えなかったけど、まだ力は残っていた。ただ、精神的にこれまでの3試合で持ち続けていた気持ちを、この試合でも維持することができなかった。」と、精神的な疲れを感じていた。
昨年のUSオープンの1回戦で対戦していたこの二人は、その時はフルセットでモンフィスに軍配が上がっていた。今大会ではジョコビッチは第9シードのF・ゴンサレス(チリ)、第23シードのT・ハース(ドイツ)、今回の第25シードのモンフィスと次々とシード勢を倒しての8強入りとなった。
ジョコビッチはナダル戦を前に、「次の試合では、何も失うものはない。次は準々決勝で、最後の8人に残ってナダルと、おそらくセンターコートで試合ができるんだ。ベストを尽くすのみ、全力を出し切るだけだ。」と、大舞台での試合に闘志を燃やしていた。
第4シードのI・リュビチッチ(クロアチア)は、3回戦では2セットを落としてからの逆転でJ・モナコ(アルゼンチン)を退け4回戦へ勝ち上がってきており、4回戦でもR・ラミレス=イダルゴに6-3, 3-6, 6-3, 6-2とこの日も苦戦を強いられてのベスト8進出だった。
リュビチッチはベスト4入りをかけてJ・ベネトー(フランス)と顔を合わせる。ベネトーはA・マルティン(スペイン)と4回戦を行ったが、5-1とリードしたところで、背中の痛みを訴えてマルティンが棄権を申し入れての勝利だった。ベネトーはこれまで4大大会では4回戦にも勝ち上がったことがなく嬉しいベスト8入りとなった。
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