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全仏オープン6日目◇ナルバンディアン、フェデラー辛勝

(フランス、パリ)

全仏オープン6日目の金曜日は、男子シングルスの3回戦と、前日から順延となっていた同2回戦などが行われた。

この日3回戦にはトップシードのR・フェデラー(スイス)や第3シードのD・ナルバンディアン(アルゼンチン)が登場し、多少苦戦しながらも順当に4回戦進出を決めた。

フェデラーは第32シードのN・マス(チリ)を相手に第1、第2セットはわずか55分で連取したが、その後反撃に合い、結局6-1, 6-2, 6-7 (7-4), 7-5でなんとか勝ち抜け、4回戦進出を決めた。
第3セットもフェデラーは6-5とリードし、ここでサーブをキープすれば試合終了という場面でマスが猛反撃を開始し、4ポイント連続で奪うとタイブレークも4-1とリード、その勢いで試合を第4セットに持ち込んだ。しかし第4セットではフェデラーが第12ゲームでマスのサーブをブレークし、接戦に終止符を打った。

フェデラーは1回戦でも多少もたつきがあったが、2回戦ではラッキールーザーのA・ファリャ(コロンビア)と対戦、わずか8ゲームしか落とさない圧勝ぶりだった。しかしマスは2004年アテネオリンピックでシングルス・ダブルス両方の金メダルを獲得、またクレーを得意としており、そう簡単には行かなかったようだ。
フェデラーは「クレーコートが得意なマスに勝てたことは、これからトーナメントを勝ち上がっていく上で自信になったね。」とコメントした。
「非常に調子がよかったし、主導権を握れたことに満足している。」と試合を振り返った。「第3セットで6-5とリードしながらそのセットを取れなかったことは悔やまれるね。そこでサーブをキープできなかったことで勢いを失ってしまって、タイブレークも落としてしまった。第4セットも簡単ではなかった。マスはベースラインから力強いプレーを続けていたからね。でも正直怖くなかったよ。サーブも調子がよかったし、安定したプレーができていたからね。負ける気はしなかった。」と強気な一面も見せた。

これでグランドスラムで8大会連続で4回戦に進んだフェデラーは、次に第20シードのT・ベルディフ(チェコ共和国)と対戦する。ベルディフは、第13シードのN・キーファー(ドイツ)が手首の故障で棄権を余儀なくされたための勝ち上がり。
ベルディフのフェデラーとの対戦成績はこれまで1勝1敗で、2年前のアテネオリンピックでは2回戦でフェデラーを下し、番狂わせを演じている。

一昨年はベスト4まで進出しているナルバンディアンは、第31シードのD・ツルスノフ(ロシア)に苦戦を強いられ、2-6, 5-7, 6-4, 6-2, 6-4で逆転で振り切って勝ち上がった。
ツルスノフは第3セットの4-4まで持ち込み、大勝利まで後一歩のところだったが、そこでサーブをブレークされると、そのまま流れはナルバンディアンの方へ流れていった。
危うく難を逃れたナルバンディアンは次に、予選勝ち上がりで今大会台風の目となっている同胞のM・バッサロ=アルグエッロ(イタリア)と対戦する。
世界ランキング181位のバッサロ=アルグエッロは、第21シードで地元期待のS・グロージャン(フランス)、そしてR・スロイター(オランダ)を2-6, 6-4, 6-3, 3-6, 6-1で下しての勝ち上がっている。

その他の3回戦では、2004年全仏覇者G・ガウディオ(アルゼンチン)が2003年全仏覇者J・C・フェレーロ(スペイン)と激突、7-5, 7-5, 7-6 (9-7)でガウディオが勝利をものにした。ガウディオは4回戦では、元全仏覇者のC・モーヤ(スペイン)を6-1, 7-5, 6-3で下した第6シードのN・ダビデンコ(ロシア)と対戦する。昨年の今大会ではベスト4入りしているダビデンコは、この日が25歳の誕生日だった。

その他、第12シードのM・アンチッチ(クロアチア)A・モンタネス(スペイン)を6-1, 6-2, 6-4で一蹴、次は第7シードのT・ロブレド(スペイン)と対戦する。ロブレドはL・ドロウィー(チェコ共和国)を6-1, 6-4, 6-2で圧倒しての勝ち上がっている。

前日の雨により順延されていた2回戦の試合では、まず第2シードのR・ナダル(スペイン)が登場、K・キム(アメリカ)を6-2, 6-1, 6-4のストレートで下し、3回戦進出を決めた。これでクレーコートの連勝を55に伸ばした。
ナダルは、「今日のコートはとっても遅かった。昨日の雨がまだ残っていた。僕はもう少し速いコートが好きだね。」と、雨の影響について語った。
試合ではミスと同じ数の27本のエースを記録、2連覇に向けてまた一歩階段を上がった。3回戦ではP・H・マチュー(フランス)と対戦する。

クレーで圧倒的な強さを見せるナダルであるが、そのことについて尋ねられると、控え目な返答を見せた。「他の選手に比べて格段にうまい、とは思っていないよ。どんな試合でも大変だったり厳しい状況が待ち受けているからね。僕はいつもベストを尽くして、100%の力を出し切るだけさ。明日には負けるかも知れないし、今日かも知れない。」

木曜日から延期となっていた他の2回戦の試合では、第8シードのJ・ブレーク(アメリカ)が注目株N・アルマグロ(スペイン)を6-7 (7-5), 6-2, 6-4, 6-4で下した。

今大会で唯一残っているアメリカ人であるブレークは、木曜日に日没延長となった時点で第1セットを落としていた。第2セットも2-4とリードされたが、そこから49本のエースを記録、見事逆転勝ちを収めた。
ブレークは記者会見で、「今大会で残っている唯一のアメリカ人である、といったようなことはコートでは全く考えないね。でも考えてみると、こういうのはここ何年かはA・ロディック(アメリカ)の役割だったり、A・アガシ(アメリカ)が背負っていたわけだよね。」とコメント。
続けて、「僕たち(アメリカ勢)のクレーコートのプレーも上達してきているし、僕自身もこのコートで以前よりも格段にプレーし易くなっている。」と調子のよさをアピールした。
4回目の全仏で初めて3回戦進出を決めたブレークは、3回戦で10代のG・モンフィス(フランス)と対戦する。
モンフィスについてブレークは、「彼は非常にいい選手だよ。まだ彼とは対戦したことがないけど、彼の才能はすごいし、地元観客も味方についている。楽しみだね。」と率直に語った。

ブレークは順当に勝ち上がれば、準々決勝でナダルと激突する。ブレークはナダルにこれまでのところ2勝0敗とリードしており、昨年の全米オープンでも勝っている。

その他の2回戦では、第15シードのD・フェレール(スペイン)が地元J・シャーディ(フランス)を6-1, 6-4, 3-6, 6-1で、J・モナコ(アルゼンチン)F・ベルダスコ(スペイン)を4-6, 6-4, 6-4, 6-1で下し、それぞれ3回戦進出を決めている。

(2006年6月3日10時15分)
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