|
優勝を決めたデメンティエワと、遅くも準優勝のヒンギス |
画像提供:Getty/AFLO |
(日本、東京)
東京体育館で行われている東レ・パンパシフィック・オープン最終日の日曜、 E・デメンティエワ(ロシア)対M・ヒンギス(スイス)のシングルス決勝が行われた。準決勝で第1シードのシャラポワを撃破したヒンギスの優勝なるかに注目が集まったが、この日のヒンギスは、デメンティエワの攻撃の前に終始良いところなく2-6,0-6のストレートで屈し準優勝に終わった。
昨日のシャラポワ戦では、ボールを巧みにコントロールし面白いようにウィナーの山を築いていったヒンギスだが、この日は序盤からデメンティエワの怒涛の攻撃の前に完全に守勢を強いられてしまう。いつもなら主導権を握るはずのストロークのラリーでも殆どポイントをあげることが出来ず、急場しのぎのネットダッシュを試みるなどして試合の流れを引き戻そうとするヒンギスだったが、好調デメンティエワに行った流れを引き戻すことが出来ない。結局第1セットはデメンティエワが6-2で簡単に奪取する。
第2セットに入っても、デメンティエワの勢いは衰えるどころか増すばかり。完全に八方ふさがり状態となったヒンギスは焦りからかいつもならあり得ないようダブルフォルトや凡ミスの山を築いていってしまう。最後まで完璧に近いパワーテニスを展開したデメンティエワがこのセットも6-0で連取し、同大会初優勝を決めた。終わってみればデメンティエワの完勝だった。
勝利インタビューでデメンティエワは、「優勝できて本当に嬉しいです。東京に来るのはこれで5回目だけどこのような結果が残せて最高に幸せです。マルチナは私がもっとも尊敬するプレーヤーなの。その彼女にこのような形で勝利できるなんて全く思っていなかった。」と笑顔で語っていた。
一方、惜しくも準優勝に終わったヒンギスは、「以前はウィリアムズ姉妹とリンゼイ(ダベンポート)だけしかいなかったのに、今はロシア人が行く先々にいるの。」と冗談も交えながら、「今日の試合についてはあまり言い訳をするつもりはありません。色々なことをトライしてはみたけれど、彼女(デメンティエワ)には通用しませんでした。今日の彼女はあまりに良すぎました。もし彼女が今日のようなプレーをいつも出来たならば、グランドスラム制覇も可能でしょう。」と語り、勝者を称えていた。
(2006年2月5日)