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ゴロバンがストレート勝ちで決勝へ |
画像提供:tennis365.net |
(東京、有明)
AIGオープン女子準決勝、スタンドを埋めるインド人観客の大声援で始まった第8シードS・ミルザ(インド)対第3シードT・ゴロバン(フランス)の試合は、大方の予想通り好試合となったが、最後まで冷静なプレーを見せたゴロバンが6-2, 6-4でミルザに勝利し、明日の決勝に駒を進めた。
試合は鮮やかなリターンエースを皮切りに、早いテンポでポイントを重ねるミルザのペースで進む。第1ゲームでゴロバンのサービスをいきなりブレイクし、第2ゲームも40-0と一方的にポイントを積み重ねたミルザだったが、このセット、ミルザらしさが見られたのはこの場面だけだった。この日のゴロバンはこれまでとは一味違う頭脳的なプレーを見せる。ミルザのハードヒットをムーンボールで巧みにかわし、ミルザをベースラインに釘付けにすると、逆にワンチャンスを確実に強打で決めていく。攻め急ぐミルザは徐々にミスを連発し、第1セットは6-2でゴロバンがあっさりと先取する。
迎えた第2セット、どこまでミルザが精神的に立て直してくるかが注目されたが、ゴロバンの頭脳的な攻撃の前にミルザはなす術なく5-0と一方的に追いこまれてしまう。このままゴロバンが一気に試合を決めるかに見えたが、精神的に開き直ったミルザがその後2ゲームを奪い返す意地をみせ挽回を開始する。しかし時すでに遅し。雨の中断をはさんでおこなわれたこのセットも、最後まで冷静さを失わずプレーしたゴロバンが6-3で連取し試合を決めた。これで明日の女子シングルス決勝のカードは、17歳のゴロバン対16歳のバイディソバとなった。
試合後のインタビューでは、雨が降ってきて流れが変わったことについては、「少し緊張しました。5-0の時点でフィニッシュできれば良かったのですが、その後ミルザが調子を上げてきて、厳しいゲームになりました。ですが、最後まで戦い抜くことが出来て、良い結果になってよかった。」と胸をなでおろしていた。
今大会の勝因はサーブでの攻めと冷静な試合運びだと語るゴロバンは、今日の試合ではミルザを応援するインド人ファンのせいでまるでビジターのようだったが、「インドアになってからはカメラのフラッシュで、ステージに立っているような気分で楽しんで出来た。サーニャ(ミルザ)を呼ぶ声を自分を応援する声援だと思って頑張った。」とコメントし、初優勝に向けて「今は絶好調だが、相手もレベルが高いので、気を抜けない。(昨年は2回戦でバイディソバに敗れたが、)時間が経っているし、自分も相手も成長しているので、違った戦いになるだろう。」と気を引き締めていた。
(2005年10月8日)