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優勝候補のプエルタに勝ったバフデイティス |
画像提供:tennis365.net |
(東京、有明)
AIGオープン大会4日目の木曜日、ナイトセッションで行われた男子シングルス3回戦、第1シードのM・プエルタ(アルゼンチン)対M・バフデイティス(キプロス)の試合は、フルセットに及ぶ大接戦となり、バフデイティスが6-2, 6-7(13-15), 7-5でプエルタを下し、準々決勝へと駒を進めた。
全仏オープンでの禁止薬物使用疑惑が持たれているプエルタは、その影響か序盤ミスを連発し、ハードヒットに食らいついてくるバフデイティスに2つのサービスブレイクを許し第1セットを失ってしまう。
第2セットに入って、徐々に調子を取り戻したプエルタだが、バフデイティスも強烈なサーブから攻撃の手を緩めず両者一歩も譲らない。しかし第9ゲームでプエルタのバックハンドのミスからバフデイティスがブレイクに成功し、5-4でサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。このままバフデイティスが勝利するかに見えたが、プエルタが意地を見せてタイブレイクへと持ち込む。疲労の色の隠せないプエルタに対し、バフデイティスは3本のマッチポイントを握り試合を決めにかかるがあと一本を奪えず、逆にワンチャンスをものにしたプエルタが第2セットを奪い返し、試合を振り出しに戻す。
第3セットは緊迫した展開が続く。ストロークを軸にゲームを組み立てていくプエルタに対し、サービスからの積極的な攻めで勝利を伺うバフデイティス。一進一退の攻防が続くが、最後まで攻撃の姿勢を貫いたバフデイティスが、優勝候補ナンバー1のプエルタを破り、ベスト8進出を決めた。
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涙ながらにコメントするプエルタ |
画像提供:tennis365.net |
試合後のインタビューでは、記者からの質問を受ける前にプエルタ自身から、昨日フランスの新聞レキップに、全仏オープン期間中に禁止薬物を使用していたという疑惑の記事が載ったことに対してのコメントがあった。プエルタ曰く、「全仏期間中は禁止薬物は一切口にしていないし、ドーピング検査に引っかかることはしていない。風邪も引いていないし、準決勝の後、足に痛みを感じたがそのとき処方されたシップすら張りはしなかった。自分は2年前に罰せられてから二度と同じ過ちは繰り返さないと固く心に決めている。今日はどうしてもそれを伝えたかった。本件について弁護士を通して対応していくことになります。」と、目に涙を浮かべての会見となった。
プエルタは、今日の試合には薬物使用疑惑は影響なかったと言い、「ただ相手(バフデイティス)が良いプレイヤーで、いいプレイをした。」とコメント。この後も疑惑について、記者の執拗な質問が飛んだが、「今は話すことはできない。今回の報道は思いもよらないことだったので、とても驚いている。ただ、(今回の報道で)いろんな思いを抱えたまま試合を迎えたことは苦しかったが、観客の大きな声援がとても嬉しかった。」と語るにとどまった。
今後は、1週間の休養を取った後、イタリアに移動し、イタリア、パリ、マドリッドの大会に出場する予定だという。
(2005年10月6日)