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惜しくも初戦敗退となった日本男子エース、鈴木貴男 |
画像提供:tennis365.net |
(東京、有明)
夕方に降り出した雨のため、第1コートで予定されていた本村剛一対A・ポッ
プの試合は急遽センターコートに移動となり、コロシアムの屋根を閉めて行われ
た。ワイルドカードで出場の本村は何とか初戦突破と行きたいところだったが、
2-6,4-6のストレートでポップの前に敗れ初戦敗退となった。
第1セット、落ち着いたプレーを見せる本村だったが、高さを活かした威力のあ
るサーブで攻めてくるポップに対しサービスブレイクの糸口をつかめない。試合
が進むにつれ、ストロークの調子も上げてきたポップが結局2ブレイクに成功し、
第1セットを6-2で先取する。 第2セットに入ると、気持ちを切り替えた本村が
互角の戦いを見せるものの、最後はポップが1ブレイクを守りきり6-4で奪い、
勝利を手にした。
本村戦に続いて、センターコートの第6試合に登場した日本のエース、鈴木貴男
はW・アーサーズと対戦し、3-6, 6-1, 6-7(2-7)で惜しくも敗れ、1回戦で姿を消
した。
鈴木、アーサーズともにサーブ&ボレーを得意とするだけあって、序盤から非常
に速いテンポで試合が進む。第1セットはミスの少なかったアーサーズが先取す
るが、第2セットは鈴木のプレーが冴えわたり、僅か1ゲームしか与えない猛攻で
アーサーズを圧倒し、試合を振り出しに戻す。そして迎えたファイナルセット、
鈴木は再三のピンチを迎えるが、気迫のプレーで凌ぎ、タイブレイクに突入する。
タイブレイクに入っても両者全く譲らず、激しいボレーの応酬を見せるが、最後
は鈴木のアプローチが甘くなったところでアーサーズが絶妙のロブからチャンス
をつかみ、最後はボレーで仕留めてゲームセットとなった。
鈴木貴男は今日の試合に勝利していれば、AIGオープン通算13勝(10敗)で、九
鬼潤(12勝10敗)、松岡修三(12勝13敗)を抜き単独最多勝利となるこ
とろだったが、惜しくも新記録達成とはいかなかった。
試合終了は午後9時30分をまわっていたが、多くの観客が両者に惜しみない拍手
を送っていた。
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試合後のインタビューに答える鈴木選手 |
画像提供:tennis365.net |
以下、鈴木選手の試合後のインタビュー
―今日の試合を振り返ってどうですか?
「毎年の有明でのパフォーマンスに比べると、あまりよくなかったですよね。
サーブのフィーリングに違和感があって、戻そうとはしたんですけど、戻りきらなくて。
逆にアーサーズのサーブは、モーションが盗めなくて、しかも質が落ちないからまったくブレイク
できませんでした。
サーブはダブルスをやっている時から違和感がありました。」
―トスに勝って、レシーブを選んだのはそれが理由だったのですか?
「もちろんそれもあるんですが、最近はサービスのいい相手に対してもリターンを取ることもあるんです。
若いころはイケイケで、トスに負けてもサーブをくれっていう感じだったんですが(笑)
ですんで、今日は最初から決めていました。」
―思い入れのある有明での初戦敗退ですが、思ったよりサバサバしているようにも見受けられますが?
「そうですね。今日は相手のサービスがよすぎて、勝てればラッキーという感じでした。
彼もこのコートサーフェスが好きでしょうし。
あくまで、ツアーの中の一戦とも考えていますので。」
―今シーズンを振り返るとどうでしょうか?
「今シーズンは全豪の時期つまりスタートが非常によくて、その後は少し落ち気味ですね。
デ杯ではコンディショニングがうまくいって、3勝することが出来ましたが・・。」
―日本のファンへは?
「ダブルスでがんばって、一日でも長く残りたいですね。
サイン会などのファンサービスもプロとしてきちんとやりたいです。」
―今後の目標は?
「全豪の予選のカットオフをクリアするだけのポイントをためることがひとつの目標です。
この後韓国のチャレンジャーへ行く予定なので、体調を整えていきたいです。」
(2005年10月4日)