男子テニスで今季限りでの現役引退を表明している元世界ランク4位の
錦織圭。tennis365.netは錦織の引退に伴い、関係者に取材を実施した。今回は女子で元世界ランク4位の
伊達公子に話を聞いた。
>>錦織圭 全米OP予選1回戦 1ポイント速報<<>>【一覧】錦織圭、伊達公子ら テニス選手の家族写真<<伊達と錦織は2012年の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)で混合ダブルスを組んだ経験がある。
伊達は日本テニス界の後輩として、錦織をどのように見てきたのかインタビューで聞いた。
Q. 錦織選手の引退を聞いた時、率直にどんな気持ちでしたか?
来たかという感じでしたね。あれだけ怪我で苦しんでいたので、もう1回錦織君らしいプレーをツアーの中で見たいという思いの中でそこに行けるかどうか…私自身も膝の怪我をした後はあちこち連鎖反応でどこかを庇えばどこかが出てくるというのが続いていたというのもあるし、特に男子の世界であの年齢でトップで走り抜けるということのタフさは当然あるので、怪我からもう1回ツアーの中で本当の意味で戦い続けることの難しさ、そこは期待したものの、やっぱり難しかったんだなっていうのがあった先の引退発表だったので、来てしまったかというところです。
しょうがないなという気持ち、本当に残念な気持ち、でもここまでよくやり遂げたなという気持ち、そしてこの先の不安と色々な思いがありました。
Q. 初めの頃の錦織選手との交流や印象は?
初めて会った定かな記憶はありません。私は決して早くないと思います。 認識はありましたが、 ジュニアから出てきた強い子がいるというくらいで、そこまで熱心に関心を持って練習を見に行こうとかはありませんでした。
すごく覚えているのは最初の頃のまだ運転もままならない錦織圭です。最初に買った車を早速ぶつけたとか言っていました(笑)そのあとはご飯を食べに行ったりするようになって、人柄も感じるようになっていったという感じの入りだったと思います。
Q. 伊達さんから見て、錦織選手のプレーは何がすごいですか?
発想ですね。教科書には収まらないボールの選択の仕方とか、この場面でそれやるんだとか、そういう発想が他にはないものを持っていて天才肌だと思います。
当然フットワークの良さも、リターン力もあります。海外のトップの中にいると決して大きくもないし、力もあるわけではない中であそこまで行けるというのは、力の発揮の仕方、出力が足りない部分をどう補うかというところに上手さがあります。
あとはやっぱりボールを扱う部分が天才です。そこはもうピカイチなんじゃないかなと思います。
Q. 全豪オープンで錦織選手と混合ダブルスに出場しましたが、ペアを組んだ経緯や、当時の思い出を教えてください。
こういう機会もないしやってみたら面白いんじゃない?みたいな周りからの声が聞こえて、じゃあやってみる?みたいな軽い感じでした。
あの時はもう錦織君もかなりブレイクしていて、シングルスでベスト8に入った年でした。2種目やる時のシングルスへの負担を当然私は理解していたので、あの時の印象は「いつでもやめていいよ」ということばかりでした(笑)
試合中はあれだけのリターン力を持っていたり、サービスのプレースメントも良いし精度も高いので、ダブルスの楽しさが倍増しました。
前でも動いて私の非力なサーブの時もポーチに出る感性で補ってもらえるので、こんなに簡単にプレーができるのかというところで、ダブルスの面白さが倍増したというのはすごく感じました。いつもの弟分が頼もしいお兄さんのような感覚になった瞬間でした。
Q. オフコートの錦織選手はどんな方ですか?
大体のテニス選手はやっぱり負けず嫌いだったり、何かにすごく執着するとかあるタイプなんですけど、本当に彼は普段はのほほーんとしていて、勝負師のしの字も感じないくらいで、争い事も好きじゃないというタイプです。
男子の世界ではもう少し違うのかもしれませんが、ご飯を一緒に食べたりとかするくらいだったら、これで大丈夫?って心配になるくらいです。だからすごく切り替えが上手いタイプだなというのはありますね。
何でも「いいですよ~」みたいな感じで、自己主張もそんなに強くないし、試合の前とかもこうでなきゃというのもあまりない。本当に心配になるくらいですが、気取らないというか…これでもだいぶ気取るようになったんじゃないかと思うくらいです。さすがに年々貫禄も出てきましたが、ずっと基本変わらない、良い青年みたいな感じです。
Q. 最後に、錦織選手を一言で表すと?
日本のテニス界にとって、夢を現実にした男です。
私たちの頃は女子は世界のトップが少し見えていた部分がありましたが、男子がトップ10みたいなことは想像しにくかったです。
男子のテニスであれだけの選手が揃っている中、グランドスラムの決勝に行った事実を作れたというのは重いことだと思います。
私は夢と目標は違うといつもジュニアたちに言っています。目標は実現するために立てなければいけません。その中で錦織選手がそれを実現したということは、男子でここから先を目指すジュニアたち、そして今のプロたちがそこを確実に目指さなきゃいけないという事実を作ったことになるので、歴史を変えたことになると思います。
男子でなかなか成し遂げられないことを成し遂げて、日本のテニスを変えたことが大きいと私は思います。
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