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ドーピング違反処罰の違い「ショック」

カミル・マイクシャク
過去に出場停止処分を受けたマイクシャク
画像提供: ゲッティイメージズ
男子テニスで世界ランク168位のK・マイクシャク(ポーランド)は日本時間21日にX(旧ツイッター)を更新。同1位のJ・シナー(イタリア)が今年3月に禁止薬物検査で陽性を示したものの出場停止とならなかったことについて触れ、自身との処罰の違いに「ショックを受けている」と明かした。

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2022年2月に自己最高となる世界ランク75位を記録した28歳のマイクシャクは同年12月にドーピング検査で陽性反応を示したことをSNSで報告。その後の調査でアンチドーピングプログラムの規則違反を認めたものの、故意に摂取した事実はないと述べるとともに、サプリメントから摂取したとされる禁止物質について、自身が購入した際の領収書などをテニスの不正を監視することを目的とした機関、ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)に提出した。

ITIAは提出された証拠をもとに、マイクシャクが故意に摂取したわけではないと断定したものの規則に従い13ヵ月間の選手資格停止処分を発表。2022年11月30日から2023年12月29日までの13ヵ月間、選手として活動することができずランキングも失われた。

0に近い状態からのスタートとなった2024年はITF大会で3度、チャレンジャー大会で2度タイトルを獲得するなど下部大会で順調に勝利を重ね、現在は復帰後最高位となる世界ランク168位まで戻ってきている。

そして現在は全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)に予選から出場。日本時間21日(現地20日)に行われた予選1回戦では世界ランク925位のM・ゼン(アメリカ)を6-3, 6-7 (5-7), 7-5のフルセットで破り初戦を突破した。

その試合後にSNSを更新したマイクシャクは禁止薬物検査で陽性を示したものの出場停止とならなかったシナーのニュースについて次のようにつづった。

「試合の数時間前に、テニス界から衝撃的で非常に辛いニュースが届きました。自分の健康と精神的な安らぎのために詳細には触れませんでしたが、同じ状況で他の選手が普通にプレーして夢を叶えているのに、僕が訴訟のほとんどの期間、コートにさえ足を踏み入れることができなかったという事実は穏やかではありません。僕は打ちのめされ、ショックを受けています」

「しかし、以前にも言ったように僕が間違っているのかもしれません。それに、ランキングの低い選手が何を考えようが誰も気にしません。コート内外でたくさんの感情が湧き起こりました。最後に(今日は)とても難しい試合に勝つことができて、そして最大のトーナメントに再び出場できてとてもうれしいです。応援ありがとうございました。また明日会いしましょう!」

なお、この日、ITIAはシナーが今年3月に禁止薬物クロステボルの検査で2度陽性反応を示していたものの無実であったことを発表。今年3月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)で実施された2度の検査で使用が禁止されている薬物のクロステボルがシナーから低濃度で検出されたとした。

本来は禁止薬物が検出された時点で暫定的に出場停止処分となるものの、選手には異議を申し立て出場停止処分を解除する権利があるとし、シナーはこの申し立てを行い認められたため、これまで試合に出場できたという。

その後、シナー本人とシナーのチームメンバーは全面的に調査に協力。調査の結果、シナーのサポートメンバーがクロステボルが含まれる市販のスプレーを自身に使用した後に、シナーをマッサージしたことで意図せずして皮膚からシナーの体内に禁止薬物が取り込まれたことが認められた。

今回の件について過失や怠慢がなかったことが認められたため、その後の出場停止処分は下されず。しかし、規則に基づきBNPパリバ・オープンで4強入りした時に獲得した賞金325,000ドル(約4,700万円)とランキングの400ポイントは没収されることで処分は留まった。

マイクシャクに関しても故意ではないことを当時明かしていたが、処罰が決定するまでプレーできず結果的に13か月の停止処分。一方、シナーは疑いがあった中でもプレーし、最終処分も賞金とポイント没収のみであり、一貫性が問題視されている。

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