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ブーイングが原因で棄権の事態に

ザン・シュアイ
全仏オープンでのザン
画像提供: ゲッティイメージズ
女子テニスのハンガリアン選手権(ハンガリー/ブダペスト、クレー、WTA250)は18日、シングルス1回戦が行われ、第2シードのザン・シュアイ(中国)はワイルドカード(主催者推薦)で出場した世界ランク548位のA・トート(ハンガリー)と対戦。しかし、第1セット途中で観客からのブーイングによって試合続行不可能となり、棄権となった。

>>【動画】ザンが棄権を申請した場面<<

世界ランク45位のザンとトートはこの試合、互いに2度ずつブレークを奪い合いながら第1セット終盤へ突入。ゲームカウント5-5となった第11ゲームで事件は起きた。ザンは渾身のショットを放つがこれはアウトの判定に、ザンはすぐにインか判断を仰ぎ主審はコートに降りてマークを確認したがアウトの判定は覆らず。その後トートがマークを確認した際、足でクレーコートに付いたボールマークを消す仕草をした。

この行動にザンとその陣営は言葉を大きくし主審に抗議。しかし主張は認められずアウトとなり、最終的にザンは決定的なゲームを落として5-6と相手のサービング・フォー・ザ・セットを迎えることとなってしまった。

ベンチに戻り呼吸を整えていたザンだったが、観客からブーイングが発生。トートがワイルドカードで出場した20歳の若手選手だったことも影響していると思われるが、この状況を受けてザンがパニック発作を起こしメディカルが到着。事態は一変し会場中が静かに見守る状況となったが、本人が試合続行不可能と判断し、トートと主審に握手を求め、棄権を申請した。

最後にザンは観客を指差しながら言葉を口にしコートを後にしている。

34歳のザンは2008年に四大大会に初出場を果たし、長らく中国テニス界を牽引。シングルスではベスト8に2度入ったほか、ダブルスではS・ストーサー(オーストラリア)とのペアで2019年の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)と2021年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)で優勝を飾っている。

しかし、2020年の前半に新型コロナウイルスが感染拡大してからは母国中国に帰国できておらず。また、考え方の違いから中国のテニス協会から正式な支援などは受けることもできずに東京オリンピック(日本/東京、ハード)にも出場できなかった。

その状況のなか出場した今年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)では、母国メディアのみが出席した記者会見に登場したものの、序盤から涙をこらえ、最終的に涙を流して発言することができずに会見が終了。メンタル面で大きな不安を抱えていると心配されていた。




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