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マレー落胆 壁崩せず「残念」

テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は大会最終日の5日、男子シングルス決勝戦が行われ、第2シードのA・マレー(英国)は第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)の前に6-3, 1-6, 2-6, 4-6の逆転で敗れ、大会初優勝を飾ることは出来なかった。

>>全仏オープン 対戦表<<

1935年のF・ペリー以来のイギリス人チャンピオンを狙っていたマレーだったが、取り巻く環境がマレーの前に立ちはだかっていた。

もし、29歳のマレーがジョコビッチのわずか1週間前に誕生していなかったら、もしR・フェデラー(スイス)R・ナダル(スペイン)が、彼等の時代を築きマレーを苦しめなかったら、マレーは既に多くのグランドスラム優勝を成し遂げていたかも知れない。

その3選手がこれまでマレーの前に立ちはだかり、タイトル獲得を妨げてきたが、5日に行われた決勝戦でも再びマレーが敗れる結果となった。

2012年の全米オープンと2013年のウィンブルドンに続くグランドスラム優勝を目指したマレーだったが、これでグランドスラムの決勝戦で8度目の敗戦を喫し、準優勝プレートを掲げることとなった。

全豪オープン4度と今回の全仏オープンを加えた5度はジョコビッチに、2008年の全米オープンと2010年の全豪オープン、そして2012年のウィンブルドンと3度はフェデラーの前に優勝を阻まれた。加えてナダルには、5度準決勝で敗れていた。

その3選手は、これまで多くのテニスの歴史を塗り替えてきた。そして今回のジョコビッチの優勝は、フェデラーとナダルに加えて生涯グランドスラムを達成した選手の仲間入りを果たしたことになった。

「明らかにこの数年間の彼等は、自分にとってとても難しい状況を作ってきた存在だった。グランドスラム優勝まであと少しという状況は何度も訪れていた。しかし、残念ながらその全てが自分ではなく彼等の手に入っていった。」とマレーは試合後に辛い胸の内を語った。

34歳のフェデラーと30歳のナダルは、今大会の欠場を余儀なくされた。フェデラーは腰の怪我から大会前に欠場を表明。ナダルは左手首の怪我から大会序盤に棄権を決断していた。

万全の体調だった29歳のマレーは、ジョコビッチさえいなければその恩恵を受けられたかも知れない。

現在の男子テニス界を支配しているジョコビッチは、今回の優勝で自身12度目のグランドスラム優勝を飾り、フェデラーの持つグランドスラム最多優勝記録の17度も視野に入ってきた。同時に、グランドスラム4大会全てで優勝を飾る生涯グランドスラムも達成することとなった。

そんなジョコビッチの凄まじい勢いを緩められるのは、もしかしたらマレーなのかも知れない。現在グランドスラムで行われる5セットマッチで、1セットや2セットを奪うことがマレーには少なくとも出来ている。しかし、今回もマレーはそのジョコビッチの壁を崩すことは出来なかった。

「きっとその壁を崩すにはあと数年かかるだろう。テニス人生を終わりにする頃には、きっともっと自分が成し得たことを誇りに思えるだろう。彼等を倒さずにはグランドスラムの優勝はあり得ないだろうから。」とマレーは、近い将来への希望を覗かせていた。

(STATS - AP)






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