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ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 見所
今季のフェデラーは、ランキング1位の座をラファエル・ナダルに明け渡し、かつてのように圧倒的な強さはなくなったといわれたが、全米オープンで5連覇を達成し、通算65勝13敗と他の選手から見れば、キャリア・ベストといってもいいシーズンを送ってきた。また、優勝候補の筆頭と考えられていたナダルが、開幕直前に今大会の欠場を発表したため、俄然フェデラーの大会3連覇に期待が集まる。 しかし、フェデラーと同じレッドグループには、アンディ・マレー、アンディ・ロディック、ジル・シモンが組分けされ、特にマレーはフェデラーに対し3勝2敗と勝ち越しており、フェデラーにしてみれば嫌な相手となるだろう。また、シモンとは今年のカナダ・マスターズで対戦しており、その時には逆転負けを喫し、まさかの2回戦敗退となっているだけに、フェデラーとしてはリベンジを果したいところだろう。ロディックとは、過去17度の対戦で15勝と圧倒しているが、今年唯一の対戦では負けており、いかなフェデラーといえども、予選敗退の可能性があるエキサイティングなグループ分けとなった。 一方のゴールドグループには、ノヴァーク・ジョコビッチ、ニコライ・ダビデンコ、ジョー・ウィルフリード・ツォンガ、フアン・マルティン・デル=ポトロが名を連ねている。今季の全豪オープンを制し、トップ選手としての地位を確固たるものにしたジョコビッチを中心に、安定してトップレベルのプレーを見せるダビデンコ、直前のパリバ・マスターズで優勝し勢いに乗るツォンガ、そして、今季後半戦で4大会連続優勝を果すなど、一気にブレークを果したデル=ポトロと、そうそうたるメンバーが揃った。 今大会は通常のトーナメントとは違い、1試合毎に賞金が定められ、予選であるラウンドロビンで1勝するごとに10万ドル、準決勝で勝利すると31万5000ドル、さらに優勝すると62万5000ドルと、グランドスラムを凌駕するほどの賞金が得られる上に、仮に全勝で優勝するとボーナスが上乗せされ、総額で134万ドルを手にすることが出来る。 まさにテニスのマスターズ=達人達が集結した今大会。今年も世界中のテニスファンの期待を裏切らない、白熱した展開が期待できる。 |
ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 初日見所
今大会のオープニング・マッチでは、第2シードのノヴァーク・ジョコビッチが、第7シードのフアン・マルティン・デル=ポトロと対戦する。ジョコビッチは初出場を果した昨年はラウンドロビンで全敗しており、いまだに最終戦で勝利していない。 両者の対戦は、2007年の全米オープンで1度だけあり、ジョコビッチが勝利している。
両者の対戦は1度だけあり、その時はダビデンコが勝利している。 |
ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 初日結果~大会2日目見所
大会初日は予選ラウンドロビンのゴールド・グループの試合が行われ、開幕戦では第2シードのノヴァーク・ジョコビッチが、初出場の第7シード、フアン・マルティン・デル=ポトロにストレートで快勝した。 「彼(デル=ポトロ)は、重要なポイントでエラーを犯していた。だから僕はそのチャンスを賢く活かしたんだ。大切なポイントでは、今日はベストのプレーが出来た。」と語ったように、ジョコビッチが全豪オープン・チャンピオンの貫禄を見せ付けての勝利だった。 第2試合では、第4シードのニコライ・ダビデンコが、第6シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガを逆転で下し、初戦を勝利で飾っている。今年で4度目の出場となるダビデンコは、「試合の最初から最後まで緊張はなかった。」とコメントし、初出場を決め勢いのあるツォンガに対し、経験で勝っての勝利だった。
大会3連覇を目指す第1シードのロジャー・フェデラーが、第8シードのジル・シモンを迎え撃つ。実績、経験ともにフェデラーが圧倒しているが、今季の初対戦ではシモンが勝利しており、フェデラーといえども足元をすくわれる可能性がある。また、シモンは今シーズン、トップ3全員から勝利を上げており、その大物食いに注目が集まる。
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ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会2日目結果~大会3日目見所
大会2日日は予選ラウンドロビンのレッド・グループの試合が行われ、第1シードのロジャー・フェデラーが、第8シードのジル・シモンに逆転負けを喫する波乱が起きた。 大会3連覇に早くも黄色信号が出たフェデラーは、「今日は普段ミスしないようなショットをミスしてしまった。それは練習不足と腰の状態への不安があったからだと思う。腰の状態 が大丈夫だったことは敗戦の中でもはっきり分かって良かった。これからもまだ試合は続くし、徐々に良いプレーができればと思っている。」と今後の巻き返しを狙う。 続く試合では、第3シードのアンディ・マレーが、第5シードのアンディ・ロディックをフルセットで振り切り、最終戦のデビューを勝利で飾った。
ともに初出場の第6シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガと、第7シードのフアン・マルティン・デル=ポトロが、最終戦初勝利をかけて対戦する。両者の対戦成績は、1勝0敗でデル=ポトロがリードしているが、この対戦は昨年のことであり、今年で大ブレークを果した二人にとっては、あまり参考にはならないだろう。
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ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会3日目結果~大会4日目見所
大会3日日は予選ラウンドロビンのゴールド・グループの試合が行われ、第2シードのノヴァーク・ジョコビッチが、第4シードのニコライ・ダビデンコをフルセットで下し、決勝トーナメント進出一番乗りを決めた。 昨年の初出場時には3戦全敗であったジョコビッチだが、今季は全豪オープンを制し、世界ランク3位として堂々たるプレーを見せ、初戦のフアン・マルティン・デル=ポトロ戦に続く2連勝でベスト4進出を決めた。 もう1試合では、初出場同士の対戦が行なわれ、第7シードのデル=ポトロが第6シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガをストレートで下し、嬉しい最終戦初勝利を上げている。 この結果、ジョコビッチが2勝、ダビデンコとデル=ポトロが1勝1敗、ツォンガが2敗となった。次の試合では、ダビデンコとデル=ポトロが対戦することになっており、その試合の勝者が決勝トーナメントに進出する。またツォンガは、早くも予選敗退が決定した。
初出場ながら初戦を勝利した2人、第3シードのアンディ・マレーと第8シードのジル・シモンが対戦する。両者の対戦成績は2勝1敗でマレーがリード、直近のマドリッド・マスターズの決勝でもマレーが勝利している。 この試合の勝者は、ラウンドロビン勝ち抜けが決定となり、ベスト4進出となる。
両者の対戦成績は6勝2敗でフェデラーがリードしているが、今年のマスターズシリーズ・ローマではシュティエパネックに敗戦しているだけに侮れない。 この試合で負けた方は、予選敗退となるだけに、お互いにサバイバルを懸けた激戦が予想される。 |
ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会4日目結果~大会5日目見所
大会4日日は予選ラウンドロビンのレッド・グループの試合が行われ、第3シードのアンディ・マレーが、第8シードのジル・シモンをストレートで下し、2連勝で同グループ勝ち抜けを決め、ベスト4に進出した。 初出場同士の対戦となったこの日の第1試合、お互いに初戦を勝利し、勝った方が決勝トーナメントに進出する試合でマレーは、ここまで2連勝中と相性が良いシモンに対し、終始リードする展開で勝利、ラウンドロビン突破を決めた。 続く試合では、第1シードのロジャー・フェデラーと、第5シードのアンディ・ロディックの試合が予定されていたが、この日の試合開始直前にロディックが、足首の負傷を理由に大会からの棄権を表明、急遽世界ランク27位のラデック・シュティエパネックが出場することとなった。試合の結果は、フェデラーがストレートで勝利し、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。 この結果、マレーが2勝、フェデラーとシモンが1勝1敗となった。次の試合でフェデラーがマレーに勝利すると、仮にシモンが勝利したとしても、得失セット差でフェデラーのベスト4進出が決まる。
2連勝ですでに予選突破と決めたノヴァーク・ジョコビッチと、2連敗で予選敗退が決まったジョー-ウィルフリード・ツォンガが対戦する。両者の初対戦は、今季の全豪オープン決勝で、その時はジョコビッチが勝利し、初のグランドスラムタイトルを獲得しているが、その後はツォンガが2連勝している。 手ぶらでは帰れないツォンガが、すでに消化試合となったジョコビッチを相手に、どういったプレーを見せるか注目したい。
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ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会5日目結果~大会6日目見所
大会4日日は予選ラウンドロビンのゴールド・グループ最後の試合が行われ、第4シードのニコライ・ダビデンコが、第7シードのフアン・マルティン・デル=ポトロをストレートで下し、通算成績2勝1敗で決勝トーナメント進出を決めた。 この日の第1試合では、すでに2勝でラウンドロビン勝ち抜けを決めたノヴァーク・ジョコビッチと、2敗で予選敗退が確定していたジョー-ウィルフリード・ツォンガが対戦した。今季の全豪オープンの決勝と同じ顔合わせとなったこの試合は、ツォンガが逆転で今大会初勝利をもぎ取り、対ジョコビッチ戦3連勝とした。 続く試合では、ダビデンコとデル=ポトロが決勝トーナメント進出を懸け対戦。お互いに1勝1敗で迎え、勝利すればベスト4が決まるこの試合は、経験で勝るジョコビッチが初出場のデル=ポトロを下し、準決勝への切符を手に入れた。
大会4日目に大会からの棄権を表明したアンディ・ロディックに代わり、出場を果したラデック・シュティエパネックと、初戦でロジャー・フェデラーを破ったジル・シモンが対戦する。 両者の対戦は、今季の全仏オープンで1度だけあり、その時はシュティエパネックがストレートで勝利している。
両者の対戦成績は、3勝2敗でマレーがリードしており、今季の対戦でも2勝1敗とマレーが勝ち越しているが、全米オープンの決勝ではフェデラーがストレート勝ちしており、グランドスラム13勝を誇る、フェデラーの勝負強さに期待がかかる。 |
ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会6日目結果~大会7日目見所
大会6日日は予選ラウンドロビンのレッドグループ最後の試合が行われ、第1シードのロジャー・フェデラーが、第3シードのアンディ・マレーに敗れ、ラウンドロビン1勝2敗とし、2002年の初出場から初めての予選敗退となった。 1勝1敗でこの日の試合を迎えたフェデラーは、これに先駆けて行なわれた試合で、予選突破を争っていたジル・シモンが勝利し、先に2勝1敗としたため、ベスト4進出には勝利しかない状況であった。 通算成績で負け越しているマレーを相手に、第1セットを先取したフェデラーは、続く第2セットをタイブレークの末に落としてしまう。そしてファイナルセット、7度のマッチポイントを凌いだが、最後は力尽きこの時点でフェデラーの今シーズンは終わりを告げた。 この結果、マレーはレッドグループ1位としてゴールドグループ2位のニコライ・ダビデンコと対戦することとなった。もう一方の準決勝では、ゴールドグループ1位のノヴァーク・ジョコビッチがシモンと対戦する。
お互いに2勝1敗で予選ラウンドロビンを突破した、第2シードのジョコビッチと、第8シードのシモンが対戦する。両者の対戦は今季1度だけあり、シモンがフルセットで勝利している。 正確なコントロールが持ち味のジョコビッチ、カウンターショットを得意とするシモンの対戦は、息をつかせぬラリーを応酬が期待される。
予選でフェデラーを下し勢いに乗るマレーに対し、堅実なプレーに定評があるダビデンコがどう戦うのか注目が集まる。 |
ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会7日目結果~大会最終日見所
大会7日日は準決勝が行なわれ、ノヴァーク・ジョコビッチとニコライ・ダビデンコが、共に今大会初めての決勝進出を決めた。 ゴールドグループ1位のジョコビッチは、レッドグループ2位のジル・シモンと対戦。今大会初戦でフェデラーを下すなど、調子が良いシモンが第1セットを先取したが、攻撃的なプレーを貫いたジョコビッチが逆転に成功し、決勝への切符を手に入れた。 一方のダビデンコは、今大会いまだ無敗のアンディ・マレーと対戦。先日のロジャー・フェデラーとのフルセットマッチの疲れが残るマレーに対し、1日の休養日があったダビデンコが終始攻め続けストレートで勝利、ジョコビッチとの決勝の舞台に勝ち上がった。
共にゴールドグループから勝ち上がってきた、ジョコビッチとダビデンコが今大会2度目の対戦に臨む。 ラウンドロビンでの対戦では、ジョコビッチがフルセットで勝利しているが、決勝の大舞台では何が起こるか分からない。今年の男子ツアーのフィナーレを飾る、白熱した試合が期待できる。 |
ATPテニス・マスターズ・カップ上海2008 大会最終日結果
大会最終日の16日、シングルス決勝が行なわれ、第2シードのノヴァーク・ジョコビッチが、第4シードのニコライ・ダビデンコを6-1, 7-5のストレートで下し、2度目の出場ながらマスターズ・カップ初制覇を成し遂げた。 「とってもとっても嬉しい。よくやったと自分をほめたい。ここでプレーする8人の選手すべてがこの大会の質の高さについて言及しているけど、僕は四大大会に匹敵していると思っている。」と語ったジョコビッチは、世界ランク2位のロジャー・フェデラーに肉薄するまでのランキングポイントを獲得した。 一方のダビデンコは、初のビッグタイトル獲得まであと一歩と迫ったが、「対戦相手がジョコビッチのときは、完璧なプレーをしないと勝てない。タイミングを早く、また良いプレーをしなくてはならない。ジョコビッチのプレーはすばらしかった。」と今年最後のチャンピオンに脱帽するしかなかった。 昨年の今大会をマーク・ノウルズとのペアで制しており、個人的には2連覇を達成したネスターは、「最高の気分だね。勝てないときもあったけど、全体としてすばらしい1年を過ごせたよ。調子さえよければ、最強のチームだと思う。今日はその調子がよかった。いいプレーができたから、優勝に値すると思う。」とコメントした。 ネスター/ジモンイッチ組は、今季前半戦こそ振るわなかったものの、ウィンブルドンで優勝すると、夏以降に調子を上げ、今季通算で4大会に優勝していた。 |
- 2008年見所
- 初日
- 2日目
- 3日目
- 4日目
- 5日目
- 最終日
- 最終日結果
優勝候補の筆頭は、2008年度末の世界ランク1位を確定させたイェレナ・ヤンコビッチ。グランドスラムのタイトルはいまだに獲得していないが、全豪オープンと全仏オープンでベスト4に入り、全米オープンでは初のグランドスラム決勝の舞台に立った。真に女王と呼ばれるためにも、このビッグタイトルが欲しいところだろう。 世界ランク2位のディナーラ・サフィーナは、今年の5月以降から快進撃を続け、初出場を果した。今季は全仏オープンで決勝に進出し、全米オープンでもベスト4入りを果すなど、その才能を一気に開花させており、初出場ながら優勝を狙えるポジションにいる。 全米オープンで優勝し、5年1ヶ月ぶりに世界ランク1位の座に返り咲いたセリーナ・ウィリアムズも侮れない存在だ。今大会出場者のなかで唯一の優勝経験をもつ元女王が、7年ぶり2度目の最終戦制覇をもくろむ。 2年ぶり8度目のツアー最終戦に出場するエレーナ・デメンティエワは、北京オリンピックで金メダルを獲得したほか、ウィンブルドンと全米オープンではベスト4に入るなど、安定して上位に食い込む力がある。 今季の全仏オープンで初のグランドスラムタイトルを獲得し、セルビア人として初の世界ランク1位の座を射止めたアナ・イバノビッチは、その全仏以降は調子を落としていたが、直近の大会で優勝を飾るなど、再び輝きを取り戻しつつある。 滑り込みで出場を決めたベラ・ズヴォナレーワと、2004年の全米を制したスヴェトラナ・クズネツォワも要注意だ。今季ツアー2勝を上げているズヴォナレーワは、10月に自己最高の世界ランク8位を記録するなど、後半戦で調子を上げてきた。またクズネツォワは、今季はまだタイトル獲得には至っていないものの、全仏オープンでベスト4に入るなど、大舞台でも力を発揮できる。 そして、6年ぶり3度目の出場を果すのはヴィーナス・ウィリアムズ。今季のウィンブルドンで2連覇を達成したパワーテニスの先駆者が、チャンピオンシップ初優勝を目指す。 また、ダブルスでは杉山愛がカテリーナ・シュレボトニックとのペアで、2年連続となる最終戦出場権を獲得した。来年からはペアの解消が決っているうえ、昨年は決勝に進出しながらも、接戦で涙を飲んでいるだけに、今大会にかける意気込みも違うだろう。 その他の出場ペアは、全米オープンを含む今季ツアー9勝のカーラ・ブラック/リーゼル・フーバー組、全仏オープンを制したアナベル・メディーナ=ガリゲス/ビルヒニア・ルアノ=パスクアル組、クベタ・ペシュキ/ルネー・スタブズ組となっている。 シングルス上位8名、ダブルス上位4組によって行われるこの大会は毎年、その年の締めくくりに相応しい激闘が繰り広げられており、今年も熱戦が期待される。 |
大会初日の結果
大会初日はホワイトグループ2試合、マルーングループ1試合が行われた。
今大会の開幕戦となった第1試合では、世界ランク9位のベラ・ズヴォナレーワが、同7位でロシアの同胞のスヴェトラナ・クズネツォワを6-2、6-3と快勝で緒戦を飾った。2004年にツアー最終戦に出場したズヴォナレーワは、その時は予選で1勝も出来ずに敗退しており、この日が嬉しい最終戦初勝利となった。 続く第2試合は、年度末での世界ランク1位を確定させたイェレナ・ヤンコビッチと、その同胞で今季の全仏女王のアナ・イバノビッチという好カード。対戦成績では、大きく負け越していたヤンコビッチが、6-3、6-4とストレートで2006年以来に、イバノビッチから勝利を上げた。 この日最後となる第3試合には、世界ランク2位のディナーラ・サフィーナと、ウィンブルドンで2連覇を達成したヴィーナス・ウィリアムズが登場、強力なサーブを軸に試合の主導権を握ったヴィーナスが、サフィーナから7-5、6-3で勝利を収めた。 |
大2日目の見所
今年の全仏チャンピオンのアナ・イバノビッチと、世界ランク9位のベラ・ズヴォナレーワが対戦する。両者の対戦成績は4勝2敗でイバノビッチがリードしており、今季2度あった対戦では、イバノビッチがいずれもストレートで勝っている。また、両者の対戦はフルセットまでもつれたことはなく、試合序盤に流れをつかめるかどうかが重要になりそうだ。
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大会2日目の結果
大会2日目はホワイトグループ1試合、マルーングループ2試合が行われた。第1試合では、イェレナ・ヤンコビッチとのセルビア勢対決に敗れたアナ・イバノビッチと、スヴェトラナ・クズネツォワとのロシア勢対決を制したベラ・ズヴォナレーワの対戦は、6-3, 6-7(5), 6-4の接戦でズヴォナレーワが勝利、ラウンドロビン2勝目を上げ、決勝トーナメント進出に大きく前進した。予選突破のためには負けられない1戦であったイバノビッチだが、この敗退で状況はさらに悪化。わずかな希望をつなぐため、次のクズネツォワ戦は必勝体制で臨むことになった。 第2試合では、ウィンブルドン覇者のヴィーナス・ウィリアムズが、エレーナ・デメンティエワを6-4, 4-6, 6-3で振り切り、前日のディナーラ・サフィーナ戦に続く勝利、ラウンドロビン2勝目を上げ、決勝トーナメント進出をほぼ確実なものとした。 第3試合には、第3シードのセリーナ・ウィリアムズが登場、第2シードのサフィーナを6-4, 6-1のストレートで下し、初戦を勝利で飾った。一方のサフィーナは、これでラウンドロビン2敗目となり、予選突破が苦しい状況となった。
大会3日目の見所
世界ランク1位のヤンコビッチが、同7位のクズネツォワを迎え撃つ。両者の対戦成績は4勝3敗でクズネツォワが一歩リード、今季の対戦でも2勝1敗でリードしているが、直近の対戦ではヤンコビッチがストレートで勝利している。
初戦を勝利し勢いに乗るヤンコビッチに対し、クズネツォワはここで勝利しないと予選突破の可能性がなくなるだけに、熱い試合が期待できる。
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大会3日目の結果
大会3日目は2日目に引き続き、ホワイトグループ1試合、マルーングループ2試合が行われた。
第1試合では、イェレナ・ヤンコビッチと、スヴェトラナ・クズネツォワが対戦し、7-6 (8-6), 6-4でヤンコビッチが勝利。これにより、ホワイトグループはヤンコビッチとベラ・ズヴォナレーワが2勝0敗、アナ・イバノビッチとクズネツォワが0勝2敗となったため、ヤンコビッチとズヴォナレーワの準決勝進出が確定した。 第2試合では、ヴィーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズの姉妹対決が行われ、姉のヴィーナスが5-7, 6-1, 6-0の逆転でこれに勝利、ラウンドロビン3戦全勝での準決勝進出を決めた。 第3試合では、北京五輪の決勝を同じ顔合わせとなる、エレーナ・デメンティエワとディナーラ・サフィーナの対戦が行われ、6-2, 6-4でデメンティエワが勝利、ラウンドロビン成績1勝1敗とセリーナと並び、準決勝進出に望みをつなげた。一方のサフィーナは、3戦全敗で全日程を終了し、残念な最終戦デビューになってしまった。
大会4日目の見所
すでに準決勝進出を決めた2人、ヤンコビッチとズヴォナレーワが予選1位通過をかけて対戦する。両者の対戦成績は6勝3敗でヤンコビッチがリードしており、今季の対戦では4勝1敗とヤンコビッチが圧倒している。出場選手の中でランキング最下位ながら、2連勝で予選突破を決めた、ズヴォナレーワの勢いがどこまでヤンコビッチに通用するのか注目したい。
両者の対戦成績は4勝2敗でセリーナがリードしているが、直近の対戦ではデメンティエワが2連勝しており、勝敗の行方が全く読めない1戦となるだろう。
過去のデータからは、イバノビッチ有利の試合展開が予想されるものの、お互いに全敗で迎えたこの試合、どちらが勝利に対し貪欲になれるかが焦点となるだろう。 |
大会4日目の結果
大会4日目は、ホワイトグループ2試合、マルーングループ1試合が行われた。
第1試合では、世界ランク1位のイェレナ・ヤンコビッチと、ベラ・ズヴォナレーワが対戦し、ズヴォナレーワが2-6, 6-3, 6-4の逆転で勝利、3戦全勝でラウンドロビンを終え、最下位シードながらホワイトグループをトップで通過した。ヤンコビッチは通算2勝1敗となり、2位でグループリーグを通過した。 第2試合では、セリーナ・ウィリアムズとエレーナ・デメンティエワがベスト4進出をかけた試合を行う予定だったが、セリーナが試合前に怪我のため、棄権を申し入れたため、この時点でデメンティエワの決勝トーナメント進出が決定した。デメンティエワは、セリーナの代わりに出場したナディア・ペトロワと試合を行い、6-4, 4-6, 6-4のフルセットで勝利、2勝1敗でラウンドロビンを終えた。 第3試合では、すでに予選敗退が決っていたアナ・イバノビッチとスヴェトラナ・クズネツォワの試合の予定だったが、イバノビッチがウィルス性疾患のため、試合前に棄権したため、急遽アグニエシュカ・ラドワンスカが出場、クズネツォワを6ー2, 7ー5のストレートで下し、ツアー最終戦で初勝利を飾った。
大会5日目の見所
ホワイトグループを1位で通過したズヴォナレーワが、北京オリンピック金メダリストのデメンティエワを迎え撃つ。2人の対戦成績は4勝1敗でデメンティエワがリードしているが、今大会の台風の目となっているズヴォナレーワの勢いは侮れないだろう。
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大会5日目の結果
大会5日目は、シングルスとダブルスの準決勝が行われ、今年最後の栄冠を争うファイナリストたちが出揃った。
シングルスでは、ウィンブルドン覇者のヴィーナス・ウィリアムズが、世界ランク1位のイェレナ・ヤンコビッチをフルセットで下し、初の決勝進出を決めた。また、今大会の台風の目となっているベラ・ズヴォナレーワが、同胞のエレーナ・デメンティエワをこちらもフルセットで下し、決勝進出を果した。 ダブルスでは、日本期待の杉山愛とカテリーナ・シュレボトニックのペアが2年連続での決勝進出を目指したが、クベタ・ペシュキ/ルネー・スタブズ組に接戦の末に敗退した。また、ディフェンディング・チャンピオンのカーラ・ブラック/リーゼル・フーバー組は、アナベル・メディーナ=ガリゲス/ビルヒニア・ルアノ=パスクアルに快勝、大会2連覇に王手をかけた。
大会最終日の見所
共に最終戦で初の決勝進出を果した、ヴィーナスとズヴォナレーワが対戦する。ヴィーナスは第7シード、ズヴォナレーワは第8シードながらも、ランキング上位の選手に4連勝、無敗でこの決勝の舞台にたどり着いた。過去の対戦成績は、ヴィーナスが5勝1敗でリードしており、初対戦時にズヴォナレーワが勝った以降は、ヴィーナスが5連勝している。
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大会最終日の結果
大会最終日はシングルス、ダブルスの決勝が行なわれ、2008年のチャンピオンシップス優勝者が決定した。
シングルスでは、今季のウィンブルドンを制した、元世界ランク1位で第7シードのヴィーナス・ウィリアムズが、第8シードながらもここまで快進撃を見せてきたベラ・ズヴォナレーワを6-7 (5-7), 6-0, 6-2の逆転で下し、最終戦初優勝を果した。 キャリア通算39個目のタイトルを手に入れたヴィーナスは、「こんな形でシーズンを終えるなんて、とても素晴らしいわ。この大会でプレーする機会はそうなかった。だから、この大会で良いプレーすること自体も大変なことだわ。」と喜びを語った。グランドスラム7勝を誇る元女王は、5戦全勝でこのタイトルを手に入れた。 敗れたズヴォナレーワは、大方の予想を裏切り、ラウンドロビンでは世界ランク1位のイェレナ・ヤンコビッチを、準決勝では北京オリンピック金メダリストのエレーナ・デメンティエワを下す大活躍を見せ、来年以降の活躍を大きく期待させてくれた。 これまで今季9勝を挙げていたブラック/フーバー組は、この日の決勝でも試合を終始リード、ペシュキ/スタブズ組も反撃を試みるが、経験に勝る女王ペアを前に力尽きた。 また、今大会を最後にペアの解消が決まっていた杉山愛/カテリーナ・シュレボトニック組は、準決勝でペシュキ/スタブズ組に敗れ、2年連続での決勝進出はならなかった。 |
ツアー・チャンピオンシップス/マスターズ・カップの仕組み
WTAツアーチャンピオンシップ、そしてATPテニスマスターズカップはそれぞれ、予選をラウンドロビン形式で行なう。
ラウンドロビン形式とは
- 8人のプレイヤーを、1位と2位が別の組、3位と4位が別の組へ、といったように2組に分ける。
- 分かれた組の中で、それぞれ総当たり戦を行い、1位から4位までを決定する。
- それぞれの組の上位2名までが決勝トーナメントに進出する。 総当たり戦の後、2名以上の選手が勝ち数で並んだ場合、次のように決定する。
- 2名が並んだら、その両選手の対戦の勝者が勝ち抜け
- 3名以上が並んだ場合、セット獲得率の高い選手から勝ち抜け
- 2.で決まらない場合、ゲーム獲得率の高い選手から勝ち抜け
- 決勝トーナメントでは、準決勝から行う。
といったように、たすきがけで対戦する。
チャンピオンシップ、そしてマスターズカップに出場できるのは、それぞれシーズンを通して獲得するチャンピオンレースの獲
得ポイント上位8名。 またチャンピオンシップ、マスターズカップともにダブルスもあり、男子が8組、女子が4組が出場する。
昨年までの優勝者はこちらのページでチェック! → WTAツアーチャンピオンシップ / ATPテニスマスターズカップ