◇東レPPO2010総括
有明コロシアムに会場を移してから3年目を迎えた今大会、今年も女子のトップアスリート達による世界最高峰のテニスに日本の観客は酔いしれた。
今年の今大会で話題をさらっていったのは、なんと言ってもクルム伊達公子だろう。1回戦でアリア・シャラポワを破る大金星を上げると、2回戦でもダニエラ・ハンチュコバから勝利をもぎ取り、グランドスラムよりも本戦出場が難しいとされる今大会で3回戦に進出する活躍を見せた。3回戦では惜しくも今季の全仏女王であるフランチェスカ・スキアボーネに敗れたが、間違いなく前半戦のハイライトであった。
第3シードのイェレナ・ヤンコビッチや第4シードのサマンサ・ストザーらが早期敗退を喫する波乱が続く中、今大会のタイトルを獲得したのは第1シードのキャロリーン・ウォズニアキだった。準決勝では親友でもあるヴィクトリア・アザレンカをフルセットで破ると、決勝では2006年の覇者であるエレーナ・デメンティエワにセットダウンからの逆転で勝利、今季5勝目を挙げるとともに世界ランク1位の座が現実味を帯びてきた。
また今大会には日本女子の若手プレイヤー達が参戦し、注目を集めていた。今年のウィンブルドンジュニアで日本女子として41年ぶりに決勝に進出していた石津幸恵は予選に出場、世界トップと直接対戦する機会を得た。また20歳の森田あゆみと18歳の奈良くるみが主催者推薦で本戦に出場、すでにグランドスラムでも活躍している2人であるが、これから世界との差を縮めていくことを期待したい。
ダブルスでは、悪天候の影響でなかなか試合を消化しきれないタフな日程の中、イヴェタ・ベネソバ/バルボラ・ザーロバ・ストリツォバのチェココンビがノーシードから勝ちあがり、見事タイトルを獲得した。
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